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FNWの7話です。

まだ波乃は学校を休んでいる。
波乃が休んでから、電波質に寄られる事はなくなった。
少しおかしな日常がなくなったと思うと、顔がにやけてしまう。
「やけに嬉しそうな表情してるな…俺、ちょっと引くわ…」
「だぁぁっ、引くな!俺にこんな休日があってもいいだろ!」
冗談だって、と笑うのは椎名李卯。
俺の旧友だ。
俺の周りは電波質ばかりじゃない。

「休日じゃないけどな。」
「俺の気分が休日なんだよっ」
ぼそりとツッコミを入れる苦炉椎過。
二人とも普通の友人であり、どこもおかしい所はない。
「でも、最近おまえ光宮さんと一緒だよな。何してんだ?」
李卯がふと俺に聞く。
突然聞かれた事にびくりと反応してしまうが、特に何もしていない。
「何って…特になにも。ただ喋ってるだけだ。」
「それだけなわけないだろ?光宮さんが幽夜と話してる事がおかしいって言いたいんだよ。まさか…」
やたら突っ込んでくるな、椎名李卯。
椎過も李卯と似た表情でこちらを見ている。
二人してにやにやしてやがる。
そしてその会話に横槍を入れる奴がいた。

「大丈夫だよ。李卯が心配することはないから。」
「ん?草樹が言うなら信じるかな。」
妃月草樹だ。
何故か李卯は草樹の言ったことをあっさり信じる。
そこで、俺の話は打ち切られた。
しばらく話をしていると、チャイムが鳴る。
部活が始まる合図のチャイムだ。
「俺たちは時間だな。じゃ、またな。幽夜。」
李卯と椎過は部活に向かった。
教室には俺と草樹だけが残される。

「なぁ、幽夜。」
「ん?何だ、草樹。」
草樹は見透かすように言う。
「本当は退屈だろ。」
「…は?」
唖然と硬直する俺に畳み掛ける草樹。
「授業中とか退屈そうな顔してた。僕は見てたよ。」
「そんなこと…」
ない、と言いたかった。
確かに波乃がいると退屈はしない。
だけど、俺がそこまで彼女を望むはずがない。
「否定出来ないってことはそうだろ。なぁ幽夜。君はいつでもおかしな事件を望んでいた…」
「いや、それはないだろ!」
俺が話を切るように答えると、草樹は微笑した。
「認めたくないのは、何となく分かるけどね。…幽夜の力は君の願望が生み出した力だと思うね。」
能力は願望に忠実だ。
草樹はそう言って、隣のクラスに行った。

能力?俺に能力?あるわけないだろ。
俺まで電波質になったってことか?

この一連の騒ぎは全て偶然なのだと。
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