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FNWの8話です。

「在原。波乃から何か聞いてないのか?」
「聞いてねぇよ。」
波乃は連日ずっと学園に来ないでいる。
さすがに心配したのか、亜出風遊浦が俺に尋ねる。
「おかしいな…波乃が休むわけないんだけど。」
「電波質といっても人間だからな。風邪でも引くんじゃねぇの?」
「そうなのかな…」
亜出風は納得し切れていないようで、頭をひねりながら席へと戻った。

「在原幽夜。本当に知らないの?」
亜出風の次はクラス委員長、神月華燐さんが俺に尋ねてきた。
「だから知りませんってば。俺だってずっとあいつの側にいたわけじゃありませんよ。」
神月さんはまだ俺を疑っているのか、ずっと同じ事を聞いてくる。
「少しでも何か聞いてない?」
「全く。」
そう、と神月さんは溜め息をつく。
「クラス委員として無断欠席は許せないのだけどね。どうしても知らないのなら仕方ないわ。先生にはそう報告しておきましょう。」
神月さんは職員室へと向かった。

ここ2,3日波乃はずっと休んでいる。
そういえば、識数依里阿も見ていない。
俺は何か胸騒ぎがした。

――――――――――――――――――――――――――――――

暗い部屋。見える電波の波。
ここは、最も電波の強いところ。
「…識数依里阿。君の知っていることはそれだけか。」
部屋と同じ黒の学者が依里阿に訪ねる。
「本当にこれだけ。後は身体を調べてくれた方が早いね。」
依里阿は皮肉に答えます。
「そうか。」
黒の学者は私を見る。
「君を贄にするのは勿体ない。どうすればよいかな。」
黒の学者は独り言のように言います。
遠回しに私に聞いているのです。
「私には分かりません。調べてくれた方が早いです。」
依里阿と同じ言葉を使います。
黒の学者はくく、と笑います。
「やはりそういう手段に出なくてはならないのか。君たちが手掛かりを知っているなら、すぐに発動出来るのだがな…。」
黒の学者は不満そうに言います。
「君たちは、君たちを生み出した世界をどう思っているのかね。」
黒の学者は難しい質問をします。
依里阿が先に答えます。
「そんなの…嫌いに決まってる。退屈凌ぎがなかったら、私が発動させてる。」
「私は…好きなのでしょうか。不満がないです。」
黒の学者はそうか、とだけ言い、部屋を去ります。
私達がここにいるのは、1ヶ月前からなのです。

皆知らないことなのです。
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