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FNWの9話です。

「おはよーございます」
「波乃…!」
久しぶりに聞いた声に驚いてしまう。
光宮波乃が2何日かぶりに学園に来た。
驚いたまま波乃を見ていると、波乃の手が俺の目の前で振られる。
「幽夜。なんですかーその反応は。」
「いや…悪い」
朝からいきなり頬を膨らます波乃。
そうさせてるのは、俺なんだけど。
「あ、波乃!どうしたんだ、今まで休んでてさ。」
亜出風さんが波乃に気付いて、問いかける。
「それはですね…うまくいえないですねー。」
「なんだよ、それ」
二人が楽しそうに話しているのを見て、俺は静かに席へ戻った。

授業は平穏に過ぎ、放課後になった。
HRが終わり、すぐに放送のチャイムが鳴る。
『光宮波乃、識数依里阿。至急放送室に来なさい』
何の変哲もないアナウンス。
だが、それを聞いた波乃はとても怯えていた。
「呼ばれたんじゃないのか?」
俺が声を掛けると、波乃は肩を震わせた。
「…はい。少し待っててくださいね。」
声の主が嫌なのか。
嫌いな教師も一人や二人いるもんだが、俺らの学年の教師でないのは分かった。
俺の知らない声であったからだ。
波乃は識数依里阿と共に放送室へ向かった。

何故、波乃と依里阿が呼ばれたのか…。
何故かそこが引っ掛かった。

波乃が放送室に向かってから、放送にノイズの音が響いた。
それはだんだんと激しくなっていく。
何かの予兆のように。
放送室に行ってみるか…?
不安が拭いきれない。
あのアナウンスの声は本当にこの学校の教師のものか?
誰も疑わない疑問にも、俺は考えてしまう。
ノイズだけ響く放送。
その間に声が聞こえた。
『やめ……!それ…………せ…ば……!』
波乃の声。
俺の危険信号が鳴る。

放送室に行こうと教室から飛び出す。
「遅いよ、幽夜。」
「草樹…。」
そこには草樹がいた。
何故そこにいたのか、と考えてる余裕はない。
「やっと動きだしたんだよ。電波を操る学者がね。」
「どういうことだよ…。」
「早く放送室に!でないと光宮さんが!」

草樹が導く。
俺は後を追っていたつもりが草樹を抜いて走っていた。
日常が今度こそなくなるような気がした。
そんなただの予感だけが、俺を焦らせる。

放送室に向かう途中で俺は草樹に聞いてみた。
「電波質って何なんだよ?」
草樹は困った顔をしたが、答えてくれた。
「あまりうまく説明出来ないのだけどね…。電波質ってのは、人が持つ能力の事って言えばいいのかな?最近、ある学者が作り出した人のこととも言える。」
「なんだそりゃ?まさかゲームみたいな話が実在するとか言うつもりか?」
「それはいえないなぁ。幽夜が自分の目で判断することだから。」
草樹は、それきり何も語らなくなった。

そして着いた放送室のドアを強引に開ける。
そこには――
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