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零雨リクエスト、攻めにょた企画。
私自身の構想ですと、全7話+おまけを予定しております。


にょた化がが苦手な人は閲覧を避けてください。



※瀬戸氷河
どうせ犯人は分かってんだ。
街に潜んでいるであろう芳賀巫斗を探す。
「あら、氷河さん?何してるのですか?」
教会の聖女、茅野が声をかけてきた。
聖書を片手に、首をかしげる。
「茅野は、変わってねぇんだな……。安心したぜ」
「え、何のことですか?」
茅野が性転換してないことに安堵する。
茅野が男になってたら、なんて想像できないな。
「本部内は魔術師のせいで、性別が入れ替わって大変なんだよ」
「……性転換、ですか」
「そうなるな。茅野は無事でよかった」
茅野が顔を真っ赤にする。
「あ、あの、そんなにひどい状況なのですか?」
「あぁ……ひどい状況だ。すげぇ絡まれたからな、俺」
恭二に芳示に丙に雨境に。
あいつらは、女になった方が恐ろしいわ。
茅野が心配そうな目で俺を見つめる。
「氷河さん、お茶でもしましょう?疲れているのよ」
「いや、俺は芳賀を探さないといけないからさ、悪いけど、また今度でいいか?」
「え、あ、そうですか……」
落ち込む茅野。
悪いと思って、すぐに言葉を足す。
「落ち着いたら、絶対行くから、な?」
「え、あ、お願いします!約束ですからね!」
「分かってるって!」
急に元気になった茅野は、スキップで教会の方へと向かっていった。
さて、それはいつ行くことにするかな……。
芳賀をシメてから翌日でいいか。

路地裏の方に行くと、聞き覚えのある声がした。
「ちょっと、困るなぁ……そういうの」
大して困ってなさそうな雨境の声だ。
なんだよ、あいつらあのまま外出て絡まれてんのかよ!
苛立ちながらも、声のする方に向かう。
雨境だけではなく、丙も一緒に絡まれていた。
姿を見た瞬間、俺は雨境の手を強引に取ろうとする男を殴り飛ばしていた。
「氷河!?」
「お、氷河、探したんだよ!」
「はぁ……なんでここにいるんだよ」
俺が来たことに驚く丙と、俺の事を待っていたのか喜ぶ雨境。
理由を聞いてみると、雨境が話してくれた。
「出て行った氷河を探しに行ったんだよ。んで、氷河って路地裏好きじゃん?」
「全然好きじゃねぇよ!」
「よくいるからここだと思ったのー!」
確かに俺がここによくいるのは事実だ。
路地裏に住み着く日生に呼ばれた時にしか行かないんだけどな。
「おいおい、兄ちゃん、やってくれるじゃねぇの」
殴られた男がようやく起き上がり、他の仲間もやってくる。
「いかにも雑魚って感じのセリフだな。お前らよくそういう事言えるよな」
思った事を素直に言っただけなのだが、丙から小声で「氷河がそういう事言うから……」と呆れられた。
「人の獲物取ってんじゃねぇぞ!」
「やるなら、いいけどさ……!今、手加減出来ねぇぞ!」
一斉に襲いかかる連中をさばいて、蹴り飛ばす。
別にこの程度の相手なら、意識することもない。
慣れた感覚に従って、倒せばいいだけ。
数秒で全員気絶させてから、雨境と丙を路地裏から引っ張り出す。
「ったく……お前ら今、女なんだからふらふらすんなよ」
「あ、そうだったねぇ。いやー、忘れてたよ」
「……わざとでしょ、雨境。」
まだへらへらしている雨境。
全く反省してないな、こいつ。
雨境の事だから、自分であの連中を片づけようと思っていたのだろうけど。
反転してると、思うように動かないことを雨境は知らない。
「頼むから、変な事すんなよ……」
「心配してんの、氷河?」
「当たり前だろ。なんつーか、やりにくいんだよ、今のお前らは」
雨境は顔を赤らめて、口元を手で隠す。
「やべ、氷河に心配されたの初めてかもしれなーい……」
「……雨境、本当に女になっちゃうよ?」
「いいよ、氷河がこんなにデレるなら!」
丙がため息をつく。
雨境はほっといて、恭二と芳示がいないことが気になる。
こいつらが外にいるなら、恭二と芳示もいるはずだ。
「そういや、恭二と芳示は?」
「それがね、別れちゃったの。あの二人暴走気味だったから、どこにいるのやら」
「なら、探してくる……ほんとに、大人しくしてろよ!」
丙から話を聞いてすぐに駆け出す。
こいつらが大人しくしてくれるとは思えないけど、でも信じるしかない。
丙が雨境を押さえててくれるとありがたいんだが。

街のどこを探しても恭二と芳示が見当たらない。
街は発展した都市だから、まだ俺の探していない場所があるのかもしれない。
ずっと走りっぱなしだったから、疲れちまった。
休憩がてら足を止めて、考える。
恭二と芳示がいそうな場所を。
「後は――俺の知らない場所、だろうな」
路地裏も俺のよく行く通りも全て探し回った。
それでもあの二人はいないんだから、俺の知らない所にいるんだろう。
あいつらなら心配することないんだけど、今は女になってるからな。
恭二が得体のしれない男にからまれてると思うと、気が気じゃない。
そうなる前に早く恭二を見つけたいのに。
「あぁ、くそ!どこ行きやがった、あいつら!」
また二人を探す為に、街を走る。
今度は、思うままに向かってみよう。
場所を意識するな、俺の知らない場所は意識してちゃ多分つかないからな。
人通りの少ない方へと走り抜けると、公園に出た。
こんな場所があるだなんて、俺は知らなかった。
繁華街ばかり見ていると、ダメだな。
「あれ、氷河だ」
公園のベンチに座っていた恭二が俺を見つける。
芳示も一緒で、クレープ食べてやがる。
「探したぞ……お前ら……呑気にしてやがって……!」
「雨境と丙が氷河を探しに行っちゃってさー。困った俺達は、女としての街を歩いてみることにしたんだよね!」
なんでこいつらはそんな呑気に今の状況を楽しめるんだか。
しかし、それだと丙の言い分と違うな。
「あれ?お前らが迷子になったって、丙は言ってたけど……」
「ええー。そんなことないよ、な、芳示?」
「ああ、迷子になったのはあいつらだ。」
芳示までそんなことを言う。
丙は雨境に引っ張られただけなのかもしれないな。
俺もベンチに座って、息を整える。
さんざん走り回ったから疲れた。
しばらく話すのもしんどい。
「氷河、ずっと探してくれてたの?」
「当たり前だろ……心配したんだから、な……」
「ほんと、恭二が好きなんだからな、お前は」
芳示がけらけらと笑う。
元の芳示に戻ったみたいで安心する。
「あれだろ?恭二が変なやつに絡まれてたら、どうしようとか思ってたんだろ?」
「そーだよ……」
「絡まれてたらどうするつもりだったんだ?」
「すぐにぶっ飛ばす予定だった。」
「不機嫌な時の氷河は、本当に半殺しにするからな。手加減してやるってのも大事だぞ?」
言葉よりも手が先に出るのは悪い癖だよな、分かってんだよ。
「ムカつくんだから、しょうがねぇだろ。身体が動いちまうんだよ」
「そこは俺よりも荒れてるよな」
芳示はくすりと笑い、離れたゴミ箱に紙屑を捨てに行ってしまった。
芳示がいなくなったタイミングで、恭二は俺にクレープを差し出す。
「食べる?」
「甘いのは嫌いだって、ずーっと言ってるよな?」
今の恭二に差し出されると、彼女に差し出されてるみたいで照れくさい。
分かっててやってんだか、分かってなくて普段通りにしてんのか……。
「いいからいいから!これ、うまいんだって!」
「……ったく」
呆れながらも、恭二のクレープに噛み付いた。
ちょうど生クリームの多い所で、甘ったるい味が広がる。
「甘い」
「でも、うまいでしょ!?」
「疲れてるから、かな。悪くないって思えるな」
「ほらー!効果テキメンじゃーん!」
俺が食った所からまた食べ始めた恭二。
「お前ら、カップルかよ」
戻ってきていた芳示がツッコむ。
カップルとか改めて言われてると、今の恭二を強く意識してしまう。
恥ずかしくなって、目をそらす。
「み、見てたのか?」
「お前がそれ食うとこから見てたけど」
「べ、別に普段とかわんねぇだろ!?」
「いやいや、今の恭二はお前の彼女だぞ?変わってんじゃん」
「待て待て、氷河が俺の彼女なんだってば!」
「ややこしいこというな!」
恭二が余計なこと言うせいで、混乱してきたぞ。
俺は一体何を求められてんだ?
「え、俺は、どうすればいいんだよ……?」
「ぜーったい、氷河が下だもん!」
「今の恭二を落とせないなら、男じゃねぇだろ」
恭二と芳示の二人が、真逆の事を言う。
確かに俺はずっと恭二にリードされてきたし、女に主導権握られるってのもなんだかプライドに触れるし。
「やだやだ、氷河は俺のものー!」
「恭二!?」
恭二が俺に抱き着く。
平均以上に大きい胸を押し当てられる。
恭二に抱き着かれてんじゃなくて、女に抱き着かれてる。
でも、恭二だ。
ごちゃごちゃになって固まってしまった。
「ちょ、っと……あの、な……?」
「だってだってだってぇー!」
「恭二のせいで氷河が固まってら。ほら、離れてやれ」
芳示が恭二を引きはがす。
恭二はクレープを食べきっていたようで、紙屑をまとめながら芳示に怒る。
「ちょっとー!芳示まで邪魔すんの!?」
「パニくってる氷河が可哀そうだろ。つか俺は、お前ら見て冷めちまったよ。やっぱ一番似合ってんのお前らだよ。彼氏彼女の会話見てるみてぇだ。爆ぜろ。」
「爆ぜろってなぁ……」
芳示がまたベンチに座る。
三人落ち着いた所で、俺は思いを口にした。
「やっぱさ、俺は今のお前らじゃない方がいいよ。これは、一夜限りの夢だ。」
「うん、最初は楽しかったけど、氷河でときめくのは嫌だなー。負けた気分になっちゃう」
恭二も頷いて真面目に答える。
「傷つくぞ、おい」
「だってさ、必死で走ってきてくれたんでしょ?氷河が走っただけであんなに息切らすの珍しいもん。その時、女の俺はときめいちゃったよね。かーっこいーって思っちゃった。でもね、それは俺にとっての負けなんだよね。だって、氷河は俺に惚れてもらわないと困るから」
「それは同感だ。ずっとこのままだと俺もおかしくなっちまいそうだ。」
芳示も頷く。
おかしくなりそうなのは、俺も同じだ。
今の関係が少し曲がってしまいそうで、戸惑ってしまうんだ。
「だから、もう終わりにする。それでいいだろ?」
俺は立ち上がって、ホルダーから銃を抜く。
弾が装填されているのを確認し、強く握る。
「もういいだろ、芳賀巫斗。」
「思った以上だよ、瀬戸氷河君」
公園の入り口から、芳賀がやってくる。
彼女は空間を操れる魔術師。
きっとどこかで見ているだろうと思っていた。
「じゃ、終わらせてもらうぞ。」
「私を脅さなくたって終わるよ。一夜の夢だから。」
「……一夜、か」
「暗器好きの彼とか暗殺者の彼とか戦闘が得意すぎる彼が、夜に勝負をしようとしてるからさ。後、ミステリーツアーの彼とか、地上戦が得意な彼とか、ね。司令官さまは、多分嫌がってるかもしれないけど。彼らが満足するまで。それぐらいはいいでしょ?」
手仕舞さんと鹿屋さんと島原さん、それに高崎さんに康司に白河さんだろうか。
あの人たちまで女にしていたのか。
「ってことは、あれか。恋心を抱いている方を女にしたわけか。」
芳示が俺の隣に立ち、芳賀に聞く。
芳賀は、そうだよ、と答えた。
「面白そうだったから、やってみただけのことだよ。魔術師ってのは、好奇心を押さえられないんだよね。」
「はた迷惑な連中だ……」
「はた迷惑でいいの!楽しくなきゃやってられないのよ!」
開き直った芳賀に、銃口を向ける。
「一発撃たせろ」
「私に当てなきゃいいよ」
「当てるに決まってんだろ。足にしてやるから」
「譲歩のつもりかな、それ。結局、痛いでしょ。」
「治してやるから」
「嫌だよ、痛いもん」
芳賀の足元に向けて、一発撃つ。
芳賀は瞬時に転移して、滑り台の上に立つ。
「もー!ほんとに撃つことないでしょ!」
「だったら、こんなことすんな!」
「それもいやよ!巫斗ちゃんの好奇心はそんな脅しには屈しないんだから!」
芳賀がまた転移して消えてしまった。
「待てこの、魔術師!」
逃げられてしまってはどうにもならない。
諦めて銃をしまい、未だ座っている恭二に手を伸ばす。
「さ、雨境と丙のとこに戻ってから、本部に戻るぞ。」
「うん!」
本部では、一体どんなことになっているのだろうか。
想像したくない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
妄想のままに書いたら長くなりました。
だって、氷河は4人も相手してるんだもん。そら長くなるか。
後半は甘すぎる気がしますけどねー……。

これで、ガールズヘブンリーは終わりです。
零雨さま、リクエストありがとうございました。




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