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刻印氷河編。

恋に恋する話。


・ラブポーションの魔術師
※瀬戸氷河
一人になった隙に飛び出して、恭二を呼ぶ。
「恭二!」
「あ、氷河だー!なにしてんの、こんなとこで」
「偶然だよ。か、買い物してただけだ」
言い訳をするのも辛いな。
でも、恭二をつけてたなんて尚更言えない。
「ふーん、氷河って使い走りにされるの多いもんな」
恭二は、普段通りに笑う。
そのせいで、本題を出しにくい。
恭二にあの女は誰だよ、って聞くだけじゃねぇか。
んな簡単なこともできなくてどうする!
「な、なぁ恭二!」
「え、なに?」
恭二がしていた話を、強引に切った。
恭二もびっくりしている。
「たまたま見ちまったんだけどさ……さっきの女、誰なんだ?」
「彼女。」
その一言で、俺は頭が真っ白になった。
そうか、すごく親しげだったもんな。
「あれ氷河に言わなかったっけ?」
「彼女、って聞いてねぇよ……んなの……」
「じゃー、ごめん!俺、忘れてたんだ!あれぇー?でも、氷河のことで忘れたことなんてなかったのに。」
「いいよ、出来たの最近なんだろ?」
「うん、そうだぜー。じゃ、これから報告するつもりだったんだよ!そゆことにしといて、氷河!」
「ったく、しょうがねぇな、恭二は」
「へへ、あの子ねー、すごく俺好みで可愛いんだよね!」
「あ、ああー、恭二に氷河じゃん!ぐ、偶然だねー!」
津川さんが、俺たちの間に割って入る。
「ね、氷河、用事あるんだ、付き合ってもらっていいかな?」
「あ、ああ……」
そして、俺の腕をとって逃げるようにその場を去った。

逃げついた場所は、路地裏だった。
恭二が近寄らない場所だからか、たまたま逃げ出したのがそこだったからか。
「もう、無理してる氷河見てられないんだもん……」
「無理なんてしてないって」
津川さんが、ため息をつく。
「氷河さ、んないい顔しなくたっていいって。今にも泣きそうなんだから」
「恭二にやっと彼女ができたんだから、喜んでやるのは、当然だろ……」
「氷河の気持ちはどうなったっていいってことないでしょ」
「いいって、俺が間違ってたんだからさ」
「ほら、そういいつつ泣いてる」
言われて目元を拭うと、確かに濡れていた。
「なっさけねぇな……おれ……」
失恋しただけで、こんなにも脆く崩れるなんて。

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氷河は結構馬鹿っぽい。

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