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刻印氷河編。



・ラブポーションの魔術師
※瀬戸氷河
魔術師に銃口を向ける俺に恭二が剣を向ける。
模擬戦なんかで恭二と戦ったことはあるけど、今感じてる殺意はなかった。
今の恭二は操られてるだけなんだ。
怯えてなんていられない。
「いくら氷河でも、この人を殺そうとするのは許せないよ」
「恭二……ッ!」
違う、騙されてるだけなんだよ!
なんて今口にしたら余計恭二を本気にさせちまう。
言葉を選んでいると、恭二の後ろにいる魔術師が囁く。
「あの人ね、急に私を嘘つきの詐欺師呼ばわりしたのよ。」
「事実だろ、それ!」
津川さんが、反論する。
すると恭二はすぐに津川さんに斬りかかる。
「津川さん!」
「うわっ!?」
武器を持っていない津川さんを庇い、俺が恭二に腕を切られた。
まだ傷は浅い。
「氷河ごめん!大丈夫!?」
津川さんが、すぐに謝る。
傷を心配そうに見つめている。
「大丈夫ですよ、こんなの……まだ浅い、から」
斬られた場所を押さえて、治癒術をかける。
恭二は俺たち二人に剣を向ける。
「見損なったよ、津川。そんなこと言う人だったなんて」
「恭二!目を覚ましてよ!魔術師の血なんてうまくないんだろ!?その人の血だってまずかったはずだ!」
津川さんが、さらに言葉を重ねる。
俺が言えなかったことを言ってくれた。
だけど、恭二は冷たい目で津川さんを見下す。
「確かにあんまりうまくなかったよ。けど、神血の氷河が旨すぎるだけでさ、他の味なんて全然知らなかっただけなんだよ。お前に何がわかるってのさ」
恭二、と名前を呼ぶ。
恭二は同じ目を俺に向けて答える。
「なあに、氷河」
「恭二……俺は、恭二が幸せなら、それでいいんだよ。俺が、望んだだけの感情だったと思えばいいんだから……っ」
俺は再びあの魔術師に銃口を向ける。
「でも、偽りの幸せを許せるほど、俺は出来ちゃいねぇ。その人は恭二を殺す。そんなの、黙ってみてられるはず、ねぇだろ!」
動揺した恭二が、叫びながら剣を降り下ろす。
それを装飾銃で受け止める。
恭二の震えと強すぎる力が伝わる。
「ふ、ふざけんなよ、みんなしてそんなこといって!バカ!氷河なんかっ、死んじゃえ!」
「今の恭二相手に殺される俺じゃねぇよ」
受け流して足を払う。
普段の恭二なら簡単にかわすが、今の恭二は引っ掛かって倒れる。
恭二とまともに戦うつもりはない。
魔術師を狙う一瞬のチャンスができればいい。
「悪い、恭二」
迷いなく恭二の恋人を撃ち抜いた。

-------------------
恭二のこととなると必死になる氷河。

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