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FNWの11話です。

「……う」
「幽夜、大丈夫か?」
意識が覚めると、草樹の声がした。
目を明ければ、俺は瓦礫に埋もれていた。
「今なんとかする。麻理亜。」
「分かりましたわ、草樹様。」
妃月麻理亜は手をかざすだけで、瓦礫を退けてみせた。
「お前らって本当に…」
「悪魔と契約者なんだな、といいたいんでしょ。」
言おうとした言葉を妃月麻理亜に見破られた。
妃月麻理亜は肩の荷が降りたような笑顔を見せる。
「いいわよ。ようやく隠さなくてすみそうだし。」
「そうだね…幽夜。周り見てごらん?」
「周り…?」
俺たちはまだ学校にいたはずだ。
それなのに、屋根がなく空が見える。
学校は崩れさり、どの建物も崩壊、よくても半壊している。
「…なんなんだよ、これ」
「天使の力なの。」
「は…天使?」
俺は気の抜けた声を出す。
妃月麻理亜が大雑把に説明してくれた。
「破壊と再生の天使。それが召喚されたのよ。分かるでしょ?」
学者の最後の一言が召喚の言葉だった、と。
「これはその初段階一回目よ。まだ何回か破壊活動があったはず。」
「それまでにどうにかしなきゃー…」
草樹が頭を抱える。

天使。破壊と再生。
俺はそんなことはどうでもよかった。
「なぁ…波乃は?椎過は、李卯は?あいつらは…」
俺が気になるのは、あいつらのことだ。
あいつらが無事かどうかだ。
妃月麻理亜が周りの瓦礫を動かす。
人の姿は見えなかった。
「瓦礫に埋もれて死んだ可能性なんてのも捨てきれないのだけど…。」
妃月麻理亜は不安な表情を見せる。
「麻理亜。椎過や李卯は生きてるはずだから、そんなこと言っちゃ駄目だよ。」
「あ、ごめんなさい、草樹様。」

俺は立ち上がる。
「草樹、俺探してくるわ。」
何もない壊れた世界を適当な方向へ走りだす。
一番目立つ塔でも目指そうと思った。
「え、ちょっと幽夜君!」
「気をつけてねー。」
妃月麻理亜は待ちなさい!と、怒鳴るが、草樹は暢気に手を振る。
ちょっと笑ってしまったが、俺は構わず走り続けた。
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