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FNWの16話です。
札月音々と別れてから、俺は一歩も動けずにいた。
その時に歌が聞こえた。
何を歌っているか分からない。
吹き飛ばされた痛みはまだ癒えず、意識を失った。
「あ…あれ…」
目が覚めると、霧のかかった港町らしきところに倒れていた。
歌がまだ聞こえる。
その方向に向かうと船があり、その近くの桟橋に少女がいた。
海を見つめる幼い少女。
「…起きたの。大丈夫?」
「ああ…」
桟橋の少女は、振り返りくすりと笑う。
「あの歌は…」
俺が聞いてみると、少女は呟くように答える。
「鎮魂曲。ここは水難事故で死んだ人たちの集まる場所だから。」
「水難事故…」
霧のせいであまり見えないが、壊れた船の残骸が流れている。
「最近起きたの。津波が町を襲った。たくさん死んだ。私も……私も?」
少女は頭を抱える。
一瞬、霧の港町がぶれた気がした。
「私も…私も飲み込まれて…死んだの?いや、それじゃこの私は?…」
少女が何かを呟く度に霧の港町は古い映像のように砂嵐がまじる。
「母さんが歌っていた唄…。」
「唄?」
最初に聞こえた歌だろうか。
「そう…唄。母さんが言っていたの…。幻想を作る唄を歌いなさいって…。」
少女は一人で納得するように呟く。
「そうよ…。幻影を作り出す唄を歌わなきゃ…。じゃなきゃ、私の街が壊れちゃう…」
少女はまた唄を歌いだした。
「幻影なのか…?」
俺はぶれ続ける港町を見つめる。
『斬』の刀なら、幻影も斬れるかもしれない。
俺は斬の刀を構える。
そして港町を斬ると、切れた場所から元の壊れた町が見える。
「…港町は?津波は?私は?あの切れ目の町は何?」
切れ目の町を見た少女は動揺する。
俺はさらにそれを斬り広げる。
少女は悲鳴を上げて倒れた。
斬り開いた場所は、俺が意識を失った場所と変わらなかった。
だけど、痛みが消えていた。
「治してくれたのか?あの子が…」
答えは返ってこない。
その時に歌が聞こえた。
何を歌っているか分からない。
吹き飛ばされた痛みはまだ癒えず、意識を失った。
「あ…あれ…」
目が覚めると、霧のかかった港町らしきところに倒れていた。
歌がまだ聞こえる。
その方向に向かうと船があり、その近くの桟橋に少女がいた。
海を見つめる幼い少女。
「…起きたの。大丈夫?」
「ああ…」
桟橋の少女は、振り返りくすりと笑う。
「あの歌は…」
俺が聞いてみると、少女は呟くように答える。
「鎮魂曲。ここは水難事故で死んだ人たちの集まる場所だから。」
「水難事故…」
霧のせいであまり見えないが、壊れた船の残骸が流れている。
「最近起きたの。津波が町を襲った。たくさん死んだ。私も……私も?」
少女は頭を抱える。
一瞬、霧の港町がぶれた気がした。
「私も…私も飲み込まれて…死んだの?いや、それじゃこの私は?…」
少女が何かを呟く度に霧の港町は古い映像のように砂嵐がまじる。
「母さんが歌っていた唄…。」
「唄?」
最初に聞こえた歌だろうか。
「そう…唄。母さんが言っていたの…。幻想を作る唄を歌いなさいって…。」
少女は一人で納得するように呟く。
「そうよ…。幻影を作り出す唄を歌わなきゃ…。じゃなきゃ、私の街が壊れちゃう…」
少女はまた唄を歌いだした。
「幻影なのか…?」
俺はぶれ続ける港町を見つめる。
『斬』の刀なら、幻影も斬れるかもしれない。
俺は斬の刀を構える。
そして港町を斬ると、切れた場所から元の壊れた町が見える。
「…港町は?津波は?私は?あの切れ目の町は何?」
切れ目の町を見た少女は動揺する。
俺はさらにそれを斬り広げる。
少女は悲鳴を上げて倒れた。
斬り開いた場所は、俺が意識を失った場所と変わらなかった。
だけど、痛みが消えていた。
「治してくれたのか?あの子が…」
答えは返ってこない。
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