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FNWの17話です。

「やほー、存原幽夜君」
「美都依さん!?」
謎の少女の唄の世界から目覚めてすぐに美都依さんと再会した。
相変わらずな人だ。
「会えるって言ったでしょ。そんな驚く事ないわ。」
「ああ。そうでしたね。」
こんなに早いとは予想もしなかったが。

美都依さんは俺に包帯を見せびらかした。
俺の足元を見ると、傷口に包帯が巻かれている。
「いやー、タイミングよかったね。君を見かけたら大怪我してるんだもん。」
「美都依さんが治してくれたんですか。」
美都依さんは、胸を張る。
「そうだよ。感謝しなよー。」
「ああ、ありがとうございます。」

俺は礼を言うと、そんなことより、と美都依さんが切り出す。
「ま、今日はシリアスな話をしに来たんだけどさ。」
「シリアス…美都依さんが。」
美都依さんは、いつも持ち歩いてる本の間に入れていた紙を取り出す。
メモのようで、それを俺にひらひらと見せる。
「先峰抄断のいる本部『電波塔』に乗り込んできたの。で、いろいろ調べてきた。」
「無茶しますね…。」
美都依さんはあははー、と笑う。
「いや、あれは死ぬかと思ったね。」
「美都依さんでも、死の恐怖とか感じるんですね。」
「はいはい、冗談やめー!真面目な話なんだから。」
美都依さんは、真面目な表情になった。
「先峰抄断の説じゃ、キミの言う電波質は『能力者』と呼ばれるの。そして、先峰抄断の秘書の能力で、『能力者』を操る塔が『電波塔』。テレビとか発信するのに塔がいるでしょ。あれをちょいと悪用したのが、『電波塔』。」
「じゃ、李卯は?」
「秘書の能力で操られてるだけ。多分『操』の能力だろうね。」
「李卯は秘書を止めればいいわけか…。能力の止め方ってやっぱ殺しか?」
「そんな残酷な。意識不能にしちゃえばいいんじゃない?能力は空想で脳が働かないと意味ないし。」
「……分かった。後、波乃は?」
美都依さんは、うあーと謎のうめき声を上げて、頭をぐしゃぐしゃと掻き乱す。
「ちょいと待ちなさいな。君は聞きたいことしか聞かないんだね。」
「悪かったな。」
「焦る気持ちも分かるけど、まぁちょっと落ち着きな。」
俺は、深呼吸をした。
一息ついた美都依さんは続けて話す。
「『能力』にも二種類パターンがあるの。『元素』と『異能力者』。『元素』ってのはRPGでありきたりな属性の能力の持ち主。一番種類が多いわね。『異能力者』はキミの『寄』や私の『法』みたいな物。電波塔には元素研究室と異能力者研究室がある。」
「まさか…潜入したんですか?」
聞くと、美都依さんは黙って頷く。
「した。データも見てきた。先峰抄断は優秀な『元素』を四人集めて、電波塔の防衛をさせている。それから、『異能力者』は永遠の実験台。遊ばれてる。優秀なのは自ら先峰抄断に着いてる。」
「…えーと、要するに『電波塔』には防衛ラインがあると。」
「キミは重要そうな部分しか聞いてなかったね?でも、その通りだ。」
美都依さんに、呆れられた。
やっぱり君は要点だけか、とぼやいたのも聞いた。

「分かりましたよ、美都依さん。まずは李卯から何とかしますよ。」
「その秘書も『電波塔』に籠もりきりなんだけど。」
「ああ、そうか。そうだよな…。まずは突入だな…。」
「そーそー。一気にワープだなんて許されないぜ。」
背後から声がした。
振り返ると、李卯がいた。
ナイフを構え、狂った笑みを見せる。
「李卯…」
「本当は、侵入者を殺せって言われたけど、いーや。幽夜と遊ぶに変えるわ。」
器用にナイフをくるくると回す。
美都依さんは李卯を見ると、珍しく焦った表情をした。
「ありゃ、バレてたんだー。私。」
「ああ、貴方も何人かに追われただろう?」
李卯は美都依さんに笑いかける。
「でも、監視カメラの見えない所でやったんだけどなー。」
「先峰様には見えていた、だそうだ。」
「そう。私は逃げるけどいいかな?」
美都依さんはいきなり滅茶苦茶な事を言う。
「構わねぇよ。幽夜を苛めた後に追い掛けるからな。」
美都依さんは、本当に逃げた。
李卯は余裕そうにそれを見ていた。

「さーて、幽夜。いくらお前が刀やら何やら持とうと覚悟は一般人並み。そんなお前の選択肢は?」
そして、俺の方を向きナイフを向ける。
「とりあえず、自己防衛かな。ある程度の知識は教わったから、前とは違うぜ。」
刀を構える。
それを見た李卯は笑う。
「ははっ、そりゃいーや。遊んでやるよ!」
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