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FNWの18話です。
俺と李卯は、友達だ。
何がきっかけだかは忘れた。
当たり前にいた友人が李卯だった。
波乃に日常を取られても、あいつは傍にいてくれた。
「なぁ、幽夜。こうやって遊んだ事はなかったよな。」
「こんなの遊びじゃねぇよ…!」
李卯がナイフを2、3本投げる。
しゃがんで回避して、考える。
どうしたら李卯は救えるのか。
動きを止めるだけでいい。
どうしたらいいんだよ…。
「幽夜ー。考えてる余裕はないと思うぜ。」
「あ、っ…!」
李卯に近付かれ、斬り付けられる。
殺す気はないらしい。
良心がまだあるのか、じわじわ苦しめるつもりなのか。
「俺は李卯を斬るつもりはないからな…」
「自己防衛で人を殺すケースだってあるんだぜ?」
李卯はにやりと笑う。
俺の能力が戦闘向きでないのも問題だ。
李卯を止める。それだけでいいのにこの刀は李卯を『斬』ってしまうかもしれない。
だが、『寄』だけじゃ…!
「幽夜。俺が殺り方を教えてやろうか?」
「いいや。必要ねぇな!」
『寄』を試しに使ってみる。
何でもいい。何かのヒントにしたかっただけだ。
周りに落ちていたナイフや、中くらい程度の岩が一斉に俺に向かってくる。
切るために俺の近くにいた李卯は、流石に驚いたようで俺から咄嗟に離れようとする。
気付けば李卯は寄せた物の直線上にいない。
『寄』の力を止めるも、間に合わず、ナイフが俺に刺さる。
「ぐっ…!いたい、なんてものじゃ、ねぇな…」
下手に抜いたら駄目なんだっけか。
李卯は刀を指して、聞く。
「その刀は使わないのか?」
「使っても…大して意味ないんだよ。」
『斬』の刀で繋がりを断つのも一時的。
それじゃ駄目なんだよ。
「なら、お前が動けなくなるまで苛めた方がいいか。」
「やれるもの、なら…!」
無理に強がりを言うが、痛みが尋常じゃない。
まず無理に刺さったナイフを抜いて隠し持つ。
距離を開けることにした。
「今更逃げるのかよ!」
「逃げらんねぇ、よ。傷が痛いからな…」
俺は早くは走れなかった。
李卯はナイフを投げ続ける。
それを避けてナイフを集める。
何度か俺の体を掠めたが、そのたびに李卯は動きがとまった気がした。
「あれ、幽夜。もういいのか?」
ある程度ナイフを集めた所で動きを止めた。
李卯はゆっくりと俺に近付く。
李卯がすぐに俺を刺せるほど、近付いた後に俺は李卯の後ろに集めたナイフを投げ捨てる。
俺が笑ってしまったのに、気付いたのか訝しげに李卯は聞く。
「ん、どうすんだ?」
「寄せるんだよ…。俺の元に!」
勢い良くナイフは俺に向かう。
先程の攻撃を避けた李卯の事だから、避けられてまた何本か俺に刺さる、と思った。
けれど、李卯は動かない。
「…李卯?」
動かなかった李卯の背にはナイフが刺さる。
李卯は俺に倒れこむ。
それを支える。
「お前、馬鹿だよな…。よくこんな捨て身、みたいな事出来るよな…。」
「これしか手段がない、って思ったんだよ…!」
今の李卯は俺の知る李卯で、李卯は今操られていない。
李卯はゆっくりと喋る。
「馬鹿だよ…俺が避けたら全部食らうんだぜ…?」
「そんなの覚悟してた。」
真顔で答えると、李卯はくすりと笑う。
「はは…馬鹿だな…これ…すげぇ痛いからな。お前じゃ耐えられねぇよ。」
「最初…何とかなったから、行けると思ったんだけどな。」
俺と李卯は力なく笑った。
操られても深層意識なんてのは、残ってるものだよな。
それに安心して、俺も倒れてしまった。
何がきっかけだかは忘れた。
当たり前にいた友人が李卯だった。
波乃に日常を取られても、あいつは傍にいてくれた。
「なぁ、幽夜。こうやって遊んだ事はなかったよな。」
「こんなの遊びじゃねぇよ…!」
李卯がナイフを2、3本投げる。
しゃがんで回避して、考える。
どうしたら李卯は救えるのか。
動きを止めるだけでいい。
どうしたらいいんだよ…。
「幽夜ー。考えてる余裕はないと思うぜ。」
「あ、っ…!」
李卯に近付かれ、斬り付けられる。
殺す気はないらしい。
良心がまだあるのか、じわじわ苦しめるつもりなのか。
「俺は李卯を斬るつもりはないからな…」
「自己防衛で人を殺すケースだってあるんだぜ?」
李卯はにやりと笑う。
俺の能力が戦闘向きでないのも問題だ。
李卯を止める。それだけでいいのにこの刀は李卯を『斬』ってしまうかもしれない。
だが、『寄』だけじゃ…!
「幽夜。俺が殺り方を教えてやろうか?」
「いいや。必要ねぇな!」
『寄』を試しに使ってみる。
何でもいい。何かのヒントにしたかっただけだ。
周りに落ちていたナイフや、中くらい程度の岩が一斉に俺に向かってくる。
切るために俺の近くにいた李卯は、流石に驚いたようで俺から咄嗟に離れようとする。
気付けば李卯は寄せた物の直線上にいない。
『寄』の力を止めるも、間に合わず、ナイフが俺に刺さる。
「ぐっ…!いたい、なんてものじゃ、ねぇな…」
下手に抜いたら駄目なんだっけか。
李卯は刀を指して、聞く。
「その刀は使わないのか?」
「使っても…大して意味ないんだよ。」
『斬』の刀で繋がりを断つのも一時的。
それじゃ駄目なんだよ。
「なら、お前が動けなくなるまで苛めた方がいいか。」
「やれるもの、なら…!」
無理に強がりを言うが、痛みが尋常じゃない。
まず無理に刺さったナイフを抜いて隠し持つ。
距離を開けることにした。
「今更逃げるのかよ!」
「逃げらんねぇ、よ。傷が痛いからな…」
俺は早くは走れなかった。
李卯はナイフを投げ続ける。
それを避けてナイフを集める。
何度か俺の体を掠めたが、そのたびに李卯は動きがとまった気がした。
「あれ、幽夜。もういいのか?」
ある程度ナイフを集めた所で動きを止めた。
李卯はゆっくりと俺に近付く。
李卯がすぐに俺を刺せるほど、近付いた後に俺は李卯の後ろに集めたナイフを投げ捨てる。
俺が笑ってしまったのに、気付いたのか訝しげに李卯は聞く。
「ん、どうすんだ?」
「寄せるんだよ…。俺の元に!」
勢い良くナイフは俺に向かう。
先程の攻撃を避けた李卯の事だから、避けられてまた何本か俺に刺さる、と思った。
けれど、李卯は動かない。
「…李卯?」
動かなかった李卯の背にはナイフが刺さる。
李卯は俺に倒れこむ。
それを支える。
「お前、馬鹿だよな…。よくこんな捨て身、みたいな事出来るよな…。」
「これしか手段がない、って思ったんだよ…!」
今の李卯は俺の知る李卯で、李卯は今操られていない。
李卯はゆっくりと喋る。
「馬鹿だよ…俺が避けたら全部食らうんだぜ…?」
「そんなの覚悟してた。」
真顔で答えると、李卯はくすりと笑う。
「はは…馬鹿だな…これ…すげぇ痛いからな。お前じゃ耐えられねぇよ。」
「最初…何とかなったから、行けると思ったんだけどな。」
俺と李卯は力なく笑った。
操られても深層意識なんてのは、残ってるものだよな。
それに安心して、俺も倒れてしまった。
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