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FNWの23話です。

『速』を切られた神坂彩貴は激昂する。
「貴様よくも…私の能力を!」
しばらく『速』の能力が使えなくなっても、神坂彩貴はまだ俺を殺そうとした。
俺はもう限界近い。
ダメージというのは、残るものだ。
息を切らしながら、神坂彩貴の小刀をかわす。
李卯よりかは楽だった。

「何故!何故この異常な世界を生きようとする!?」
「どうしても助けてやりたい奴がいるからだよ!」
攻撃が緩む。
「…想い人?」
「違う!あいつにしかこの世界を元に戻せないからだ!」
「世界を戻すなら、先峰様を止めたらいいでしょ。」
「…あいつの力もいるんだと!」
話をしているうちに、冷静になり始める神坂彩貴。
だんだんと攻撃が緩くなる。
「誰から聞いたの!」
「美都依さんからだ!」
神坂彩貴は攻撃を止める。
小刀を降ろす。
「…やっぱりか。智香!」
神坂彩貴は刈谷智香を呼ぶ。
刈谷智香は亜出風と戦っていたから、驚いて彼女の術がなくなった。
「は、はい!」
「能力を斬られた。治す方法を電波塔で探すわ。着いてきなさい。」
「わかりました。存原幽夜は?」
「しばらく動けなくしたわ。行くわよ。」
二人は何処かへと消え、亜出風が駆け寄る。
「大丈夫か、幽夜!」
「なんとかな…」
本当に動けそうにない。
そのまま倒れてしまった。
 
私は幽夜を美都依さんの研究所まで、運んだ。
重症な幽夜を見た美都依さんはすぐに能力を利用して治してくれた。
その後、落ち着いた彼を見ながら、美都依さんは私に問いかける。
「大丈夫、誰にやられたの?」
「神坂彩貴って奴です。そいつの能力は幽夜が斬りました。」
それを聞いた美都依さんは、表情が曇る。
「『斬』の刀は抽象的な物は斬れない。すぐに戻るはず。」
「ただのはったりの時間稼ぎにしかならないってのか…!」
「そうね。こんなことしてても、どうにもならない…。」
美都依さんは思いつめた表情で彼を見た。
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