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FNWの24話です。

翌朝、美都依さんに起こされた。
俺は怪我人だったよな…。
「もうこの世界は慣れた?その刀の扱いも。」
「慣れた。」
淡白な俺の言葉を聞いた美都依さんは、確信したように笑う。
「ならさ、電波塔行く?」
「電波塔…」
「もう李卯君を助ける手掛かりも、光宮波乃を助ける方法も電波塔にしかない。どうする?」
電波塔って奴らの本拠地なんだよな…。
何か一つでも解決したら…。
俺はベットから起きて、刀を手に持った。
「行きます。最初に飛び出した時も俺は電波塔を目指したんだからな。」
「よし、決まりだね。早速行こう。」
美都依さんが出掛ける準備を始める。
「あ、美都依さん。」
「なーに?」
俺はふと思ったことを聞いてみた。
「そういや、何で最初は電波塔に着かなかったんだ?」
「邪魔されまくったからじゃないの?」
答えは簡単に返された。
「ああ…そうだ。」
札で戦う巫女っぽいやつとか、唄の幻覚少女とか、李卯とか、神坂彩貴に絡まれたからだ。
幻覚もあったし、俺の方向感覚がずれにずれていたのか。
美都依さんがくすくす笑う。
「後、君は場所を知らなかったでしょ?」
「電波塔なんて大きなもの、その方向に向かえばいいんじゃないのか?」
馬鹿にされたような気がした俺はむきになって答えた。
美都依さんは大笑いした。
「電波塔ってのは、また厄介なものでね。塔の前に電波の幻覚が見えるの。」
「マジかよ…。俺は騙されてたって事か。」
「ま、美都依さんの能力なら余裕で突破するよ。」
『法』の能力でも使うのだろうか。
 
遅れて目が覚めた亜出風が、俺を呼んだ。
「本当に行くのか?」
「李卯と波乃を助ける方法がそこにしかないからな。」
「波乃の為か…。」
亜出風はすぐに決意した。
「私も行こう。少しは助けになれるだろう。」
攻撃的な能力を持つ亜出風が来てくれるのは、ありがたい。
「頼む。」
「任せろ。」
美都依さんの準備が終わった。
「よーし、行くよー。」
研究所の外に出てすぐに美都依さんが、『法』の能力を操る。
「…よーし、これで幻覚は効かないよ。行こう。」
俺たちは電波塔に向かう。
 
電波塔前に刈谷智香がいた。
俺たちを見付けると刈谷智香は美都依さんに飛び付いた。
「あ、あの!彩貴さんを助けて下さい!」
「どーしたの?彩貴さんがどうかしたの?」
刈谷智香が慌てたまま、話し始める。
「彩貴さんが電波塔に捕われてしまったんです。能力を斬られた者に興味があると、先峰様が…。」
聞いた美都依さんが苦い顔をする。
「あれはすぐに戻るからはったりよ。でもその事が嘘という形で、認識されたら…」
「彩貴さん殺されちゃいます!嫌です!」
刈谷智香は、さらに美都依さんに引っ付く。
美都依さんは、刈谷智香の頭を撫でた。
「助けてあげるわよ。貴方たちは電波塔から逃げ出しそうだから。」
「ありがとうございます!先に彩貴さんの居場所を探しに行きます!」
刈谷智香は、塔の中に入る。
俺たちも続いて入る。
 
電波塔に入った途端、幽夜の姿がなくなった。
「幽夜!?」
「先峰抄断のトラップかもしれないわ。地下に行くわよ!」
美都依さんはまっすぐ地下への階段を駆け下り始めた。
「地下!?どうして?」
「神坂彩貴は地下に捕らわれていると思うからよ!」
私は美都依さんを急いで追いかける。
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