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FNWの25話です。

中に入ったら、俺は一人だった。
後ろを見ても二人はいない。
何処からか声が響いた。

『存原幽夜。二人は幻惑の部屋へ案内した。安心したまえ。』
「イライラする声だな…、先峰抄断!」
多分それはあの時を思い出すから。
世界が変わった瞬間を思い出すからだろうな。
『君一人でこの電波塔を楽しんでもらおうと思ってね。最上階まで来い。波乃は最上階だ。四元に気を付けろ。四元に捕われたら負けだ。じゃあな。』
「待て!一方的に話すだけ話しやがって!」
声は聞こえなくなった。
とりあえず階段かエレベーターをだな…。
階段しか見えなかった。
仕方なく階段で上がることにした。

「あれー、君が侵入者かー。」
上から気のない声がした。
見上げると空を飛ぶ奴がいた。
「ま、この塔で階段使ってるんだから侵入者だよね。あはははー。」
「…落としてやろうか。」
イラっときたから睨み付けてしまった。
飛んでいた少女は、ひぃっと小さく声を上げた。
「私に力はないからやーめーてー。」
ふわりと彼女は降りた。
「空を飛べるとか羨ましいじゃねぇかよ…。」
「私の能力だからね。限度あるけど、飛べるよ。」
俺はこいつに連れてってもらおうと考えた。
「そうか。最上階まで飛べるか?」
聞いたら、少女はあははーと暢気に笑う。
「さすがに無理かなあ。」
「あっそ、じゃあな。」
使えないと判断し、階段を上がる。
少女は俺の体に抱きつく。
俺はそれを振り払う。
「待って!久しぶりの侵入者なの!他人なの!少しは構ってよ!」
「嫌だ。俺は忙しいんだよ。」
少女はかなり必死なようだ。
「じゃ、限度ギリギリまで運ぶから!」
「…何階くらいだ?」
少女はうーんと頭を抱える。
「えーと…25、6階。」
「わかった。構う。」
「わーい、やったー!」
少女は飛び跳ねる。
…余程暇なのかこの場所は。
「じゃ、落ちないようにしてね。」
少女が俺を抱える。
「さぁて、行くよー!」
いきなりふわりと浮かぶ。
俺は驚いたが、上を見ると彼女は辛そうに俺を抱えていた。
「…大丈夫か?」
「だ、だいじょぶだよ…。」
不安だ。すごく不安だ。
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