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FNWの29話です。

目を覚ますと、俺は筒の中にいた。
「何だよこれ!?」
「あれじゃない?実験…主にクローン技術や培養技術にありがちな筒の中。」
答えたのは白衣の女。
機械を弄りながら、彼女はさらに楽しそうに話す。
「あれ、なんて言うんですかね。」
「さぁね?教えなーい。」
俺は質問を変えてみた。
「俺は何をされるんですかね。」
「これから秘密の液体入れて、君の能力を写すのよ。」
「写す?」
「ああ、燕や蒜虎に聞いてない?」
大空燕と紫鏡蒜虎の名を聞いて、思い出した。
二人がよく話した名前。
「天宮…研究員?」
「そ。天宮魔那って言うんだ。」
天宮魔那は多くの機械を操りながら、話し始める。
「私の能力は、『写』なんだけどね。抽象的な物は写しにくいんだ。だから、科学でそれを入れる器を作り出して、科学的に能力で写すわけ。」
器は見えない。
俺の死角にでもあるのかもしれない。
「燕や蒜虎の能力も写したから、もういらないんだけどさ。放り出すのも可愛そうだし、手伝わせてる事にしたの。」
彼女の手先は器用に機械を操る。

「どう?準備は出来たかしら?」
また誰かがこの部屋に入る。
彼女は、部屋の入り口の近くにある椅子に座る。
「順調ですよ、彩世孤さん。」
「そう。お茶貰うわね。」
「どーぞ。モノ、入れてあげなさい。」
天宮魔那がモノと呼んだ人間がどこからか現れ、彩世狐さんとやらにお茶を用意する。
その人間はまるで作り物のような動きだった。
「ん、モノが気になるの?それとも彩世狐さん?」
俺の行動をさりげなく見ていたのか、天宮魔那が質問してきた。
「両方だな。」
「ふむ、モノはトップシークレットだから、彩世狐さんにしよう。」
「それ、どういう意味かしら?」
お茶をすすっていた彼女が、天宮魔那を睨む。
「だって、手だけ動かすのつまらないじゃない。」
「貴方の語り癖どうにかしなさいよ。」
彼女は冷たく言い放つ。
「嫌よ、つまらなくなるじゃない。」
「そうやって秘密を話されても困るのよ。」
彩世狐さんは、またお茶を啜った。

天宮魔那の手が止まる。
「いようし、準備出来た!始めるよ。」
「おい、待て。何をする気だ?」
天宮魔那は、起動して後に答える。
「大丈夫。痛くない、辛くない。」
「そんな問題か…っ」
秘密の液体が筒を埋める前に意識はなくなった。
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