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第四話です。

「さて、もう十分でしょ?あたしもうまとめて話すの疲れた」
ユーニスはベッドに倒れこむ。
「大してまとまっていなかったが、十分ってことでいいか?」
「もういいよ。だいたい分かったからな。」
ユーニスの簡単すぎるまとめ方に呆れ、ヴァイスはリーオの方を見る。
リーオも頷いて三人は寝ることにした。

The last Song 第四章 共通する点

翌朝。
リーオが目覚めると、そこに二人の姿はなかった。
「あれ…どこ行ったんだ?」
ふらふらと外に出ると、村の人に何かを聞いて回っている二人がいた。
歪みとやらについて調べているのだろうか。
リーオは歪みについては詳しく聞かされていないので、大人しく待っていることにした。

「お。待ってたのか」
うとうとと眠りかけていたリーオにヴァイスが声をかける。
「ああ。歪みとやらについてはあまり詳しく聞いてないから。」
「それ話すの忘れていたな…お前の世界と私の世界は違うから意味が通じるとも思えないが。」
ヴァイスは少し言葉を選ぶように話し出した。
「私達の世界…フィラデルというんだがな。そこでは、おまえが入った穴がたくさん出るんだ。それによる被害も実際増えてきたんだ。」
「歪みによって、異次元に連れてかれるのか?俺達みたいに。」
ヴァイスは曖昧に笑う。
「まぁ、そういう感じだな。私達は世界が他にもあるものだと考えている。異次元というより、別世界にさらわれると思っている。」
「なるほどな…。」
リーオは腕を組む。
「おまえの世界では、時空研究をしてるのか?」
「最近始めた事だけどな。」
ヴァイスのいる聖組織で時空について分かっていることはあまりに少ない。
「そういや…時空研究っていうとスィアブルの神話を思い出すな。」
ふと昔に聞かされた神話のことをリーオは思い出す。
独り言のように呟かれたそれを聞いたヴァイスは、驚いてリーオに詰め寄る。
「スィアブルの神話を知ってるのか!?」
「ああ…俺のいた世界ではあまり知られてはいない神話だけどな。」
「それはフィラデルにも伝えられている神話だ…。時空研究を発展させ過ぎたスィアブルは消えてしまったという話だろう?」
「ああ…確かそんな神話だったな。」
ヴァイスは確信したように頷く。
「やはり他に世界はあったんだ…。そして、時空という壁で阻まれているんだ。」
「あいつらは、それを壊そうとしてるのか…。」
「分からないな…」
二人は頭を抱えて、黙ってしまう。
そこにユーニスの声が響いた。
「ちょっと!何サボってんのよ!」
「私は休憩だ。大体の情報は集めたからな。」
「必死になってた私が馬鹿みたいじゃない。それ。」
ユーニスは座り込む。
「で、どうするか決めたのか?」
リーオはユーニスに聞いてみる。
「あのね、この村は神隠しでいなくなる人が多いんだって。それで…」
「その神隠しは森に入った人がいなくなるという。きっと穴はなくとも空間を歪ませている。それを突き止めに行く。」
ユーニスの言葉をヴァイスが足す。
ユーニスは言葉を取られたと頬を膨らませる。
「ということは、森に行けばいいのか…」
「魔物も出るみたいだから、その刀使い慣れちゃいなさいよ。」
ユーニスがリーオの刀を指差して言う。
「やってみるよ。」
「じゃ、行きましょ!」
ユーニスが威勢良く歩き出す。
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