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第七話です。

「ここは…?」
ユーニスたちが目を覚ますと、目の前に男がいた。
「あんたら大丈夫か?いつの間に禁止された坑道の前にいるんだもんなぁ。」
「禁止された坑道…?」
ユーニスが後ろを見ると、そこには『17番坑道』と書かれた看板があった。
「とりあえず、今はここから出なさい。」
男に連れられて、町へ出ることにした。
 
The last Song 第七章 復讐の友人
 
「とりあえず、どうする?」
宿屋でユーニスたちは休むことにした。
その代金は見つけた男が支払ってくれた。
「まずは他の入り口を探すしかないだろう。ここは入り口が多そうだからな。」
「次々に坑道が閉鎖されているって言うからな。どこの坑道か調べるだけはしとこうぜ。」
ヴァイスとリーオが、ほぼ同じようなことを続けて言う。
「じゃ、まずそうしましょ。でも、それは明日からね。」
この世界はもう夜。
ユーニスたちも疲れが溜まっていた。
三人はすぐに寝てしまっていた。
 
真夜中。人が通ることのない坑道の前に一人の女がいた。
「あの女がここにいる。私は見てしまった。見た以上私はあいつを…」
ナイフを手に、女は坑道の中へ入っていった。
 
朝、リーオが目を覚ますと二人の姿はなかった。
「早起きだな…あいつら。」
右においてある時計を見ると、10時を指していた。
「俺が夜行性なだけか…。朝は弱いんだよな…。」
ゆっくりとリーオが起き上がると、扉がばん、と開いた。
「ちょっと遅いわよ!」
「朝は弱いんだよ!少しは気遣え!」
ユーニスが入ってくる。
後からヴァイスものんびりと入ってきた。
起きたばかりのリーオをヴァイスは哀れむような目で見た。
「おまえ、まともな生活してないんだな。」
「そうだよ、悪かったな!」
「同情するよ。」
そう言われると少し言い返せなくなる。
「そんなことより、あんたが寝てる間に情報仕入れたの!」
「『5番坑道』から行ってみようと思う。そこが始めに人が消えた場所だそうだ。」
「分かった。すぐに行くのか?」
ユーニスがさらに怒って、声を張り上げる。
「当たり前よ!あんたが起きてたら、すぐに行ったのに!」
「それは悪かったって!」
リーオは片手で耳を塞いでから、頭を下げて謝った。
 
5番坑道入り口に女がいた。
まるでとおせんぼをするかのように、女はいた。
ユーニスたちが前に来ると、女はナイフを抜いた。
「…本当に生きていたのね。今までどこに隠れていたのかしら。」
「なんの話よ?」
いらついていたユーニスが返す。
「私を忘れたの?ユーニス。友達だったのにひどいわ。」
今までむすっとしていた表情が驚きと焦りに変わる。
「私の過去を知っているの!?ねぇ、少しでもいいから教えて!」
それを見て、今度は女の方が驚いた表情を見せる。
「本当に忘れているなんて…。私はクルーエ・インヴァイト。友達よ。」
クルーエはユーニスに切りかかった。
ユーニスはとっさにかわす。
「!?なによ!」
「あんたがいなければ、あの子は…!」
クルーエは憎しみの目を向けた。
ユーニスは戸惑いながら、クルーエに問う。
「え、ちょっと私らは友達なんでしょ?」
「そうよ。それと同時に私は貴方が憎いの。」
クルーエは正確にユーニスの心臓や首を狙っている。
 
「おい!やめろって!」
リーオがユーニスをかばう。
ナイフを刀で受け止める。
「邪魔しないで。貴方には関係ないでしょ。」
「こいつを殺させるわけにはいかねぇんだよ。まだいろいろ聞いてねぇからな。」
「…その刀は?」
クルーエがナイフをしまう。
リーオは構え続けながら、答える。
「ユーニスが持っていたものだ。記憶の手がかりなんだとよ。」
「記憶…。そう、本当に忘れているのね。その刀の意味すら分かっていないだなんて。」
「意味?」
リーオが聞くと、クルーエは答えなかった。
 
「この奥に行ってみるといいわ。」
「そこは行こうとしていた場所なんだがな。」
ヴァイスはさっさと『5番坑道』に入る。
「早いな…。行こうぜ、ユーニス。」
「わ、分かったわよ。」
ユーニスはクルーエを見ていた。
「次にユーニスに会ったら、殺すわ。」
「…そしたら、抵抗しようかしらね。」
ユーニスはリーオの手を引いて、『5番坑道』に入った。
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