迷い迷える少女の世界の２話です。

霧が段々と晴れてきました。
見えたのは、前と変わらない森でした。
それに安心して私は歩く事にしました。
「ちょっとキミ」
「はい？」
本を抱えた人が声を掛けてきました。
「これから何処へ行くの？」
「魔女の森です。」
私が答えるとその人は、不思議そうな表情をしました。
「何を言ってんの、そんな場所はあるわけないでしょ。この先は嫌われた地だよ。」
「嫌われた…ですか。」
さっきあった少女も言っていました。
なんのことでしょうか。
「今止めても無駄なんだけどさ。キミはもう嫌われた地へと足を踏み入れた。踏み入れてしまえば、逃げられない。」
後ろを振り返ると何も見えません。
火の灯りが導くように灯っています。
「ようこそ。嫌われた地『庇神村』へ。私は比良阪千鶴。学者だ。この村にいる間は気をつけて。」
比良坂千鶴さんに案内を頼みたかったのですが、比良坂さんは調べたい事があると断られてしまいました。
私は比良阪さんと別れ、村を探索することにしました。