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迷い迷える少女の世界の4話です。

「刹香の者はいるか?」
「隷慈?贄を捕らえたのか!」
「ああ、後は任せる。」
刹香家というのも、大きなお屋敷でした。
私は刹香の人に案内されて、刹香のお屋敷の廊下を歩いています。
そのときに刹香さんが話しかけてくれました。
「俺は刹香悠憐。君は…庇神の儀式を知らなそうだね。」
「庇神の儀式ですか?」
「余所の人が興味を示すように秘祭と言われている。本当は庇神村の大厄を封印する儀式なんだけどね。」
悠憐さんは細かく話してくれました。
「この村は大厄を抱えているんだ。放置したら余所に影響が出るくらいに。年に一度儀式をしないと、封印が続かないんだ。だから、力の大きい四つの家が協力して行っている。」
「四つの家?」
「緋燈家、泗水家、光依家、刹香家。緋燈家が贄を出し、泗水家が巫女を出す。光依家は封印を管理し、刹香家は儀式を管理する。」
「分かりやすいですね。はっきりしていて。」
「ややこしいと思うけどな…」
悠憐さんは苦笑いをします。
話が一区切りしたので、私は聞いてみます。
「贄の役割って何ですか?」
「大厄の器になって、大厄を封じ込めるんだ。それで器の贄ごと封ずる。まぁ、殺してから奈落に落とすね。」
「そうなんですか……」
私が落胆していると、悠憐さんは私に囁きます。
「だけど、君なら永遠の連鎖を終わらせられるかも。」
それは不思議な希望の言葉に聞こえました。
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