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アンハッピーシリーズ第一弾。

ロマンチストなキスは、全てを救う。


※天城芳示
追い詰められた勢いと、安心させたくてキスをしてみたが。
氷河は何故か涙を流していた。
唇を合わせるだけの軽いキスのはずなのに、スローモーションのように遅く感じる。
氷河から唇を離す。
その瞬間、俺のホルダーから何かを抜かれた。
「返してもらうぜ、これ。俺のだから」
奪われたのは、魔術仕様のハンドガン。
氷河は、眼鏡を取り涙を雑に服の袖で拭う。
眼鏡を掛けなおすと、氷河は迷いなく引き金を引く。
着ぐるみの従業員の一人が影となる。
「な、なんで……っ!」
悪魔が動揺する。
「貴方、なんで自ら幸せを無くすような真似を!?あんな嫌な記憶、ないほうがいいじゃない!忘れた方が幸せなのに!どうして、思い出してしまったの!」
悪魔がヒステリックに叫ぶ。
氷河は、ハンドガンに弾を詰める。
「……嫌な記憶、じゃないからな。吸血鬼に襲われたのも、魔術師に狙われて、利用されて、実験されて、殴られても、斬られても、縛られても。全部嫌な記憶にはならねぇからな」
詰めながら、氷河が答える。
「どうして!?あんな記憶が不幸でなくてなんなのよ!?」
悪魔が叫ぶ。
着ぐるみの従業員が、全て襲い掛かる。
「その時は不幸だったけど、今でも狙われてるけど、俺は幸せなんだよっ!」
氷河が着ぐるみを回し蹴りで、ある程度消し去る。
「よく言った、氷河!褒めてやるよ!」
「芳示にそんな誉められ方されたくねぇな!」
俺たちは背中合わせに銃を撃ちまくる。
次々に消える影の中で、悪魔が頭を抱える。
「イカレてる……こんなの、壊れてるわよ……っ!」
「知らねぇよ」
悪魔の持つ紙を撃ち抜く。
契約書は燃えてなくなった。
「壊れてる、ねぇ」
氷河が悪魔の額に、銃口を当てる。
「それでいいよ、それが俺の望んだものだからな」
氷河が引き金を引く。
撃った魔弾は光の魔弾。
悪魔は光に包まれ消えた。
「……おい氷河」
「なんだよ」
「今でも幸せ、なんだな?」
「幸せだよ。」
記憶が戻っても、笑ってくれた。
「幸せなら、オッケーだね!」
何処からか声がした。
悪魔の消えた扉から、現われたのは、長すぎる黒髪にロングドレスを着た女。
「やっぱ、使い魔ごときじゃ駄目か。悪魔の幸せは、どこか間違ってるなあ。」
女は、契約書を破り捨てた。
「幸せでなくちゃ、ね!」
女がこちらに笑いかける。
こちらというよりは、氷河に向けて。
氷河は女の名前を忌々しげに言う。
「フィアレス・アリーゼ……」
「私は幸せの味方なんだから!恐がらないで。」
「いや、まて。あの悪魔を召喚したのはお前なんだな?」
俺が聞くと、フィアレス・アリーゼが答える。
「そう私よ。全てはみんなの幸せのために」
「壊れてやがるな」
「私はまともよ。幸せを愛しているのよ。」
フィアレス・アリーゼは、愉悦に笑った。

-----------
氷河を幸せにする企画。
終了!

しかし、戦えない氷河って可愛いですよね。
戦えない分、リアルらしくて。

普通に怖がり、誰かに縋る氷河。
本部に染まったらありえないからね。
本部に染まってもありえるようなシチュエーションを探しているんだが……。
ないですかね?

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