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零雨様より、鹿屋と末沢の話を頂きました!

私のサイトではありえないくらい甘いです。


※鹿屋牙狼
「らーぶちゅっちゅー」
唐突に、末沢がそんなことを言った。
「どうしましたか、気でも狂ったんですか」
「違うよ!」
冷静に指摘してあげると、末沢はプンスカ怒った。
「あのねぇ……牙狼さん?」
「……っ!」
自分のベッドに座っている俺の隣にピッタリと末沢はくっついて座る。そして俺の事を……名前で呼んだ!
咄嗟に顔を背けるが、顔が赤くなっているのはバレてしまっただろうか。
「がろーさん、がろーさん」
「なっ……何なんです、いきなり」
「僕たち、もう『特別』じゃない?だから名前で呼びたいなって」
末沢は付き合い始めてから『特別』という言葉をよく使っていた。どうやら思い出のある言葉らしい。チラ、と末沢の顔を窺うと上目使いでこちらを見ていた。反則だろ、それ!
しかし、一度は断念した思いを向こうから提案してくれるなんて好都合である。顔をいつも通りにどうにか戻すと、末沢と向き合う。
「針弥」
「!」
「しんや、しーんや」
あくまで末沢の真似をして、からかうように、半分ふざけて……というポーズを取ってはいるものの、俺は内心嬉しくて今にも色んな事をしでかしてしまいそうだ。末沢は目を丸くしてから、俺の腕に抱き付いて顔を埋めてくる。
「針弥?」
「は、反則ですよっ、いきなり呼ぶなんて……」
モゴモゴと半分独り言な声が聞こえてくる。耳が真っ赤だ。照れているのか……反則なのはお前だろう。
「末沢」
「……な、何?」
少し悪戯心を起こしてニッコリと笑いながら俺は名字呼びに戻してみせた。顔を上げた末沢は答えてくれたが、目に見えてがっかりしているのが分かる。
「名前で呼んでほしいですか?」
「そーいう言い方、卑怯ですっ」
末沢はむう、と頬を膨らませる。かわいい。
「で、末沢はどうして欲しいんです?言わなきゃ分かりませんよ」
「……名前、で……呼んでほしい、です」
「聞こえないんでもっと大きな声でお願いします」
俺は聞こえないフリをした。もっと甘えて欲し……いやいや。洗脳されてから心のセーブが緩くなったような気がするな……。
「名前で呼んでくださいっ!」
「分かりましたよ、針弥」
よしよしと末沢のフワフワの茶色い頭を撫でてやる。末沢は途端に機嫌が良くなり、猫のように甘えてきた。
「ただし、人前では絶対に禁止。人に話すのも禁止ですから」
「えぇー?」
不満の声を挙げたので撫でる手を止めてやる。すると渋い顔で頷いてくれた。
「からかわれるのは嫌なんです」
「……才臥たちにからかわれる鹿屋さんって想像出来ないかも」
んー、と考えるもどうやら納得したらしい末沢。苗字呼びに戻っているが、指摘しないことにした。
「牙狼さん」
「何です?」
「好きですよ」
「俺もです、針弥」

―――――――――――――――――――――――――――――――――
彼女いわく甘いものが欲しかったと。
私は甘いものなんか書きませんからね。

私にはない甘さを楽しんでいただければ幸いです。
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