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チェックメイト編。


近接格闘は苦手ですたい。


・チェックメイト三夜
※瀬戸氷河
人のいない広い交差点。
双方向から吸血鬼から突進してくる。
レイゼーが、急に止まり勢いの乗ったハイキックを繰り出す。
それをしゃがんで回避するとアルリスの方が下から爪で切り上げようとする。
それはガードするしかない。
それらを耐えきるとアルリスが感嘆する。
「我々の奇襲を受け流すとは」
「吸血鬼二人は、卑怯だろうが……」
彼女を睨むと、レイゼーが答える。
「確かにそうだねぇ。しかし、姫君」
レイゼーが挑発するように、笑う。
「それにしては、表情が楽しそうだよ?」
レイゼーに指摘されて、気付いた。
こんな状況を楽しんでいる自分に。
「……っはは、そっか。楽しい、か。」
構えを取り、すぐさま動く。
「食らいやがれ!」
氷属性付与の右ストレート。
魔術を拳に込めるのもう慣れちまったよ!
しかし、それはあっさり躱される。
「ふふっ、危ないなぁ……姫君は。」
さらに余裕そうに微笑むレイゼー。
「っ、ざけんな!」
蹴りも交えつつ、レイゼーを追い詰めようとする。
「甘い!」
横からアルリスが、割り込むように蹴りを見舞う。
「ぐぅぁっ!」
吸血鬼の力は何処か異常じみていて、吹っ飛ばされ固いコンクリートを1、2回バウンドした。
「あら、人間は脆いわね」
アルリスは、俺を嘲笑う。
「ぐ……はっ……」
息を吐く。
立ち上がり、氷の壁を作る。
「試作、氷鏡レーザー!」
そこに光のレーザー魔術を流し、レーザーを反射させ向こうに当てようとする。
しかし、レイゼーが目の前にいた。
「ふふふ……」
レイゼーが妖しく笑い、俺の肩を掴む。
そして、俺の首筋に噛み付いた。
「い……っ!」
「もらうよ、魔力を……」
囁かれる。
宣言通り魔力が奪われていく。
氷鏡は脆く割れて、俺も足が動かなくなっていく。
レイゼーが首筋から離れ、肩から手を離す。
支えをなくした俺は、がくりと膝を着いた。
「治癒術分も無くすほど、貰ったから、動けないだろう?」
息が乱れる。
荒く息をする俺を見下すレイゼー。
そして、優しく手を伸ばす。
「姫君、さぁ帰ろう」
その手を払う。
「帰りたくねぇから、逃げたんだろうが……!」
「さすが姫君。だが、その選択は間違いだ」
「う……ぐぅっ!?」
腹を爪先で蹴られる。
鋭い痛みが襲う。
「レイゼー、早くしなさい。」
「わかってるよ、姉さん。」

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あと一個!

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