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サディスティック短編。

マゾヒスティック後編。


・壊された姫君
※瀬戸氷河
窓から光が差す。
その眩しさで目が覚めた。
「……さいあく、だ」
本当に犯された。汚された。意味分かんねぇ。
とりあえず、昨日散々殴られた傷を治す。
ベッドの傍のテーブルには、眼鏡と高そうな眼鏡拭きが添えてあった。
「気がきく、な……」
レンズがかなり汚れていたので、拭き取る。
ふと、ノックの音がした。
「失礼します」
入ってきたのは、紅茶セットを持ったメイドだった。
「主はまだ就寝中ですので、紅茶をお持ちしました。」
「いい、のか?」
テーブルに置かれるカップ。
戸惑いながら聞くと、メイドは笑った。
「レイゼー様は、姫君は丁重に扱うように、と申されております。」
「なら、遠慮なく貰うか」
俺が紅茶を飲むと、メイドは驚いたように俺を見ていた。
「……なに、かな?」
「いえ、本部というのは粗暴な集団だと思っていたので……、あの……」
「いいんだよ、事実だから」
「え、あ、わわ、すみませんっ、失礼します!」
メイドは時計を見ると、慌てて出ていってしまった。
「次はコーヒーにしてもらおうかな」
意外にもこの屋敷には人間がいるもんだ。

夜。
椅子で本を読んでいると、ノックの音がした。
レイゼーが入ってくる。
「姫君、昼間は如何だったかな?」
「それなりに楽しんだ。」
レイゼーがテーブルに積み上げられた本を見て、くすりと笑う。
「姫君は、ピアノと魔術が趣味なのかな」
「な……ッ!なんでそれを!?」
「見えるからだよ。あれは楽譜と魔術書だ」
「ずるいな、吸血鬼は」
レイゼーが俺の体に触れる。
思わずびくりと震える。
「ふふ、昨日は楽しかったかい?」
「さいあく、だった」
「しかし姫君。治癒術というのは、酷な術だね」
レイゼーが妖しく笑い、昨日斬られたはずの腕を差す。
「また傷付けても、君は治癒してしまう。逆に言うなら、いくら傷付けても、君は治癒してくれる。いくら切り裂いても、いくら殴っても、いくら犯しても。翌日になれば君は治癒してくれる。そうだろう?」
ぞくりとする話だ。
「まさか、治癒が仇になるとはな……!」
「しないつもりかい?それでも、君を殺す迄には至らせないよ。それから……」
カップを指差す。
「彼女は人間だ。先ほど雇ったばかりのね。そんな子に君の紅すぎる血を見せるのかい?」
「……ちっ、そうくるか」
昼間のメイドは何も知らないのだろう。
俺が捕われている理由も、紅い血を、何もかもを。
「さぁ、姫君。大人しく今夜も付き合ってくれるのなら、ベッドへ」
「二度と、てめぇに犯されないからな……!」
立ち上がり、拳を握る。
レイゼーは、楽しげに笑う。
「さすが姫君。そうでなくては。昨日はとても美しい声を聞いたからね。今夜はどのような声で鳴いてくれるのか、楽しみだよ。」
「――ッ!マジで死ね!」
「さて、今日はどうやって姫君を犯そうか……?」

-----------
エンドレスエンド。
治癒→暴力→治癒の繰り返し。
死ねもしない、ただ犯され続ける氷河。

完全にレイゼーの玩具だな。

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