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スマホ変更記念に一発。

慣れるには打つしかねぇんだよっ!

・氷語
※藤野司
なんとなく気になったから、きいてみた。
「ねぇ、氷河ってどんな人かな?」
「氷河?んーとねー。俺の。」
「いや、そうじゃなくて。」
恭二に聞いたのが失敗だった。
馬鹿だもんな、恭二。
「ん?氷河の話?」
通りかかった芳示が、声をかける。
芳示は、怪訝な表情だったが、話を始めてくれた。
「あいつは、天才なんだよ。飲み込みの早い天才。」
「そういえば、喧嘩っ早いよね、彼」
「氷河は、何かと絡まれやすい奴だったんだよ。今は魔術師で、昔は不良だった。生意気な態度とってるからなんだけどさ。」
「そりゃ、なかなかの自業自得で。」
「んで、あのときも三人くらいに絡まれてた。」
「あのとき?」
「あー、初めて会ったときか!」
恭二が、話に割り込む。
「そう。たまたまそれを俺たちが見付けたときだ。あいつは、握り拳を隠して、不良に絡まれて困ってた。人目がなけりゃ殴ってたんだろうけど、俺達が見てたからな。」
「あー、めっちゃ困ってたなー。」
恭二がけらけらと笑う。
芳示も、思い出し笑い。
「んで、見てらんないから俺が不良殴っといたの。まぁ、あの程度の雑魚なら余裕だし。そしたらいいとこを恭二がかっさらった。」
「えっ?なんかしたっけ?」
「お前が、家とか気にしないで、嫌なら嫌っていえばいいじゃん、って言ったの。そんときの氷河、嬉しそうだったぞ。」
氷河が、やたらと恭二を気にするのはこれが理由かな?
恭二無自覚だし。
「その一週間後かな。また氷河が絡まれて、人通りのないところに呼び出された。俺もこっそり覗きにいった。そしたら、氷河どうしたと思うよ?」
「んー、どしたん?」
いつの間にか莱桃さんがいた。
誰もつっこむことなく、続けた。
「あいつ、不良を蹴り飛ばしたんだよ。しかも、俺のやり方で。」
「まさか、喧嘩のやり方を理解してしまった、と。」
「一回見せただけで、覚えたんだよ。しかも、楽しそうだった。……あいつの飲み込みの早さは、天才的だ。」
「もしかして、ボケてます?」
氷河が元から手癖足癖最悪で、喧嘩好きなのは分かったよ。
「そういや、銃も簡単に扱えてたよなー。」
「そういや、魔術の話したときもえらい飲み込み早かったかも。」
「だから、言ったじゃん!俺の氷河だもん!」
恭二が偉そうに胸を張る。
ちょっと意味わかんないなぁ。
「多分な、氷河はその気になれば、どんな魔術も扱えるやろーな。相性的に闇と炎には期待できんけど、雷とか風ならいけるはずや。」
莱桃さんが、魔導書を捲る。
「やっぱり天才かよ。くそっ……」
芳示が舌打ちをする。
「あいつは、ある程度なんでも出来るからって、一人で抱えすぎなんだよ……。」
芳示の事が理解できちゃったなぁ……。
「言っとくけど、氷河があんな喧嘩好きになったには、お前らのせいだからね。」
最後に丙が、芳示に言う。
「お前らの真似を、氷河がしただけだから。」
「でも、よく笑うようになったろ?」
「はぁ……。そうだけど。」

――――――――――――――――――――――――――――――
やりづらい!

けど、氷河が天才だと言いたかった!
芳示も喧嘩強すぎる部類だからなー。


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