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彼と私の色違い
※弓ヶ浜東火
「東火さんのパンツは何色ですか?」
ガシャン。私は持っていた湯呑みを落としてしまった。
「あっあー、何やってるんですかー!」
「すんません……」
手仕舞君はすぐに湯呑みを持ち上げ、濡れてしまった洋服を付近で叩いて拭いてくれた。湯呑みは何処も欠けていないようだ、良かった。
「いや、おかしい!」
「おかしいって何が」
「唐突にそんな事聞くアンタが明らかに悪いでしょう!」
「えー」
拭き終わった手仕舞君はトレイの上にびしょ濡れの布巾を起きながら不服そうに言う。
「好きな人のことはパンツの色まで知りたいじゃないですか!」
「うわ変態」
即座に呆れた視線で言い放つと、彼は思いの外ショックを受けたらしく胸を押さえて苦しそうな顔をした。
「ううう……お茶入れ直してきます……」
手仕舞君のしょんぼりとした後ろ姿を見ながら私は食堂の椅子に座り直す。
と、そこに瀬戸君が入ってくるのが見えた。
「瀬戸君」
「ああ、東火さん。どうも」
瀬戸君は何やら魔術書を持っている。この前会ったときも持っていたし、中々に勉強熱心な人間である。
「勉強かい?」
「たまには食堂でやるのもいいかなーって」
私は手仕舞君が戻ってくる前に彼に質問することにした。
「一つもしもの話をしてもいいかい?」
「構いませんけど」
「もしも君が……とある人から好意を向けられているとする。ハーレムな君には容易い想像だろう?」
「え、ちょ、違いますって!」
思いっきり首を振って否定しているが、神血として見ても人間的に見ても彼はかなり好かれやすいと思う。現在進行形で色々な奴に好かれているし。そう考えると、手仕舞君だけというのは逆にラッキー……な訳がないな。
「その人に変態的な事――例えば下着の色とか、を聞かれたらどうする?」
「とりあえず一発殴りますね」
即答だった。考える素振りもなく。彼は常日頃からそういうことをされているんだろうか……。
「追求してきたら、凍らせます」
追撃まで答えてくれるとは、恐ろしい……。
「なるほど、ありがとうございます。参考になりますわ」
「え、参考って……」
丁度というのか、タイミングがいいというのか、手仕舞君がトレンチを持って戻ってきた。
「おかえり」
「あれ、氷河だ」
「手仕舞さんもいたのか」
私は手仕舞君がトレンチをテーブルの上に置くのを確認してから、殴りかかってみた。
「わっ!いきなりなんですか!?」
「いいから一発殴らせろ!……とかでいいですかね?」
私の運動神経が悪いのか、簡単に手仕舞君に避けられてしまったが、私は気にせず瀬戸君の真似して答えてみる。
「お、俺に聞かないでくださいよ」
瀬戸君は現状に着いてこれないのか、オロオロしていた。
「追撃は、魔術……妖術でいいか」
私は印を組んで追撃を仕掛ける。妖術の炎が手仕舞君を囲んだ。
「え、東火さん?熱い、熱いですっ」
「東火さん、何してるんですか!」
勿論彼を殺す気はないので、直ぐに炎を消すが、手仕舞君の姿は戦場を通ってきたかのように焼け焦げていた。ジト目で私を見る手仕舞君。
「俺が何したっていうんですかあ~」
「瀬戸君に聞いたらね、こうすると言っとったんです」
「氷河っ!」
「ご、誤解!誤解だーーっ!」
髪の毛もチリチリになった姿で瀬戸君を追いかけ回す手仕舞君。最終的に瀬戸君を正座させて説教していた。内容が「純真無垢な東火さんを悪の手で染めてしまうなんて大罪にも程がある」とか、訳の分からん物だったが。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
パンツの日記念の変態話。
変態が集まる氷河さんには気苦労が絶えない話。
人が苦手な東火さんには一人だけでも迷惑な話。
※弓ヶ浜東火
「東火さんのパンツは何色ですか?」
ガシャン。私は持っていた湯呑みを落としてしまった。
「あっあー、何やってるんですかー!」
「すんません……」
手仕舞君はすぐに湯呑みを持ち上げ、濡れてしまった洋服を付近で叩いて拭いてくれた。湯呑みは何処も欠けていないようだ、良かった。
「いや、おかしい!」
「おかしいって何が」
「唐突にそんな事聞くアンタが明らかに悪いでしょう!」
「えー」
拭き終わった手仕舞君はトレイの上にびしょ濡れの布巾を起きながら不服そうに言う。
「好きな人のことはパンツの色まで知りたいじゃないですか!」
「うわ変態」
即座に呆れた視線で言い放つと、彼は思いの外ショックを受けたらしく胸を押さえて苦しそうな顔をした。
「ううう……お茶入れ直してきます……」
手仕舞君のしょんぼりとした後ろ姿を見ながら私は食堂の椅子に座り直す。
と、そこに瀬戸君が入ってくるのが見えた。
「瀬戸君」
「ああ、東火さん。どうも」
瀬戸君は何やら魔術書を持っている。この前会ったときも持っていたし、中々に勉強熱心な人間である。
「勉強かい?」
「たまには食堂でやるのもいいかなーって」
私は手仕舞君が戻ってくる前に彼に質問することにした。
「一つもしもの話をしてもいいかい?」
「構いませんけど」
「もしも君が……とある人から好意を向けられているとする。ハーレムな君には容易い想像だろう?」
「え、ちょ、違いますって!」
思いっきり首を振って否定しているが、神血として見ても人間的に見ても彼はかなり好かれやすいと思う。現在進行形で色々な奴に好かれているし。そう考えると、手仕舞君だけというのは逆にラッキー……な訳がないな。
「その人に変態的な事――例えば下着の色とか、を聞かれたらどうする?」
「とりあえず一発殴りますね」
即答だった。考える素振りもなく。彼は常日頃からそういうことをされているんだろうか……。
「追求してきたら、凍らせます」
追撃まで答えてくれるとは、恐ろしい……。
「なるほど、ありがとうございます。参考になりますわ」
「え、参考って……」
丁度というのか、タイミングがいいというのか、手仕舞君がトレンチを持って戻ってきた。
「おかえり」
「あれ、氷河だ」
「手仕舞さんもいたのか」
私は手仕舞君がトレンチをテーブルの上に置くのを確認してから、殴りかかってみた。
「わっ!いきなりなんですか!?」
「いいから一発殴らせろ!……とかでいいですかね?」
私の運動神経が悪いのか、簡単に手仕舞君に避けられてしまったが、私は気にせず瀬戸君の真似して答えてみる。
「お、俺に聞かないでくださいよ」
瀬戸君は現状に着いてこれないのか、オロオロしていた。
「追撃は、魔術……妖術でいいか」
私は印を組んで追撃を仕掛ける。妖術の炎が手仕舞君を囲んだ。
「え、東火さん?熱い、熱いですっ」
「東火さん、何してるんですか!」
勿論彼を殺す気はないので、直ぐに炎を消すが、手仕舞君の姿は戦場を通ってきたかのように焼け焦げていた。ジト目で私を見る手仕舞君。
「俺が何したっていうんですかあ~」
「瀬戸君に聞いたらね、こうすると言っとったんです」
「氷河っ!」
「ご、誤解!誤解だーーっ!」
髪の毛もチリチリになった姿で瀬戸君を追いかけ回す手仕舞君。最終的に瀬戸君を正座させて説教していた。内容が「純真無垢な東火さんを悪の手で染めてしまうなんて大罪にも程がある」とか、訳の分からん物だったが。
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パンツの日記念の変態話。
変態が集まる氷河さんには気苦労が絶えない話。
人が苦手な東火さんには一人だけでも迷惑な話。
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