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完結記念に全部うpしちゃいます。
常識観念ブレイク編。

零雨様の『最もシリーズ』と『本部シリーズ』がコラボ。
そして、零雨様に書いていただいた噂の本編でございます。

キャスト
瀬戸氷河(せとひょうが)
凍てつく光の魔弾。
榎本恭二(えのもときょうじ)
子供心の吸血鬼。
赤空核(あかぞらさね)
反面常識人。
一一哉(にのまえかずや)
計算の策師。


※榎本恭二
「なー、何処行くのー?」
歩きながら説明を聞いた後、学校という施設が珍しくてキョロキョロと見渡していたが、俺はふと気になって隣の一哉に聞いてみた。
「魔物のいる教室です」
一哉は嫌な顔せずにこやかに答えてくれた。
「ところで、神隠しの調査は貴方達二人だけだったんですか?」
「んーん、芳示と丙ってヤツも一緒だった」
俺が答えると、一哉はピクリと眉を動かして黙ってしまった。え、マズいこと言った!?
「一さんの能力は『物事を計算する』。情報収集をすることで、次の出来事を計算するのさ」
俺の心を読んだかの様に核は振り返らずに教えてくれた。さっきから氷河に馴れ馴れしくくっついてるけど、何なんだコイツは!
「ってことは、未来が分かるのか?」
もう気にしていない様子の氷河が口を挟む。
「このまま計算内であれば、ですが。まあズレがあってもその都度計算は修正されるので大丈夫なんですけどね」
そもそも氷河がハッキリ嫌だって言わないから、こういう風につけあがって皆氷河に馴れ馴れしくしてくるんだよね。氷河も嫌だったらもっと抵抗するとか俺を頼るとか俺を頼るとかしてくれればいいのに!俺を頼るとか!無自覚なところも可愛いけど、ちょっとは警戒心を持ってないとダメだと思うし、やっぱり氷河には俺がついてないとダメだよなっ!
「……榎本、だったか?」
考え事をしていてハッと顔を上げる。何故か核に呆れられた目を向けられていた。
「恭二って呼べよー!」
「榎本でいい。なんか……いや、なんでもない」
断られちゃった、しょんぼり。核は何か言いづらそうにしていたが、結局何も言わずに前を向いてしまう。
「えー!気になるじゃんそれ!なになになに!?」
「……俺の知り合いには心を読む能力者もいる。気を付けろってことだ」
呆れた口調で核が話す。……もしかして、俺の心読んだ!?
「そろそろ着くが……一さん」
核と一哉が足を止め、俺達もつられて足を止める。
「うん、計算内の計算外だ」
一哉はまた眉間にシワを寄せて手で押さえている。計算内の計算外って変じゃね?分かってたってこと?
「氷河、恭二。早速出番だぜ」
核が氷河から離れ、戦う姿勢を取る。
直後。
パァン!と廊下の窓ガラスが割れ、外から巨大な魔物が飛び込んできた。
「頼りにしてるぜッ!」


※瀬戸氷河
「自分も計算してある程度の予測補佐は出来ます。お二人の戦い方を見れば更に計算しやすいです」
一哉は観察して計算しているのだろう、魔物から目を離さずに後ろへ下がる。俺は魔銃を取り出し、恭二は爪を構え、核は飛び出していた。
「ッえ!?おいッ!」
真っ直ぐに魔物の前に飛び出した核はすぐに魔物に気付かれ、いともたやすく牙の餌食になってしまった。
「核ーーッ!」
「今のうちにお二人共攻撃してください」
俺は叫んだが、それを遮るかの様な信じられない一哉の言葉に俺は思わず彼を振り返って見てしまった。が、彼は特に表情を替えることなく、普通に微笑んでいる。
「大丈夫、心配要らないですよ」
苦しそうな顔の核の顔がブレだし、体がドロリと溶けた。
「えッ!」
「ほら、気を引いているうちに早く!」
戸惑いながらも俺は氷魔術を込めた魔弾を魔物の足へと撃つ。核に気を取られていた魔物にそれは簡単に当たり、傷口が凍り始め、そして地面を凍らせて動きを封じた。それを見た恭二が魔物の死角へと回り込み、爪で首を切り落とす。
「手際が良いな。これなら安心だ」
真後ろから声が聞こえて溶けている筈の核を見れば、既に跡形もなく消えている。振り返ると核の顔が間近にあった。
「近い!ていうか、何で無傷なんだ?」
「常識を覆した。俺は死なないんだぜ」
ニッと歯を見せて笑った核はそのまま俺の横を通って魔物に近付く。核が歩く度にパチャパチャと床の血溜まりが音をたてる。
「一さん、これどうするんだ?」
核が魔物を見ながら首を傾ける。確かに、この世界の人は魔物を見たことが無いだろうし、見たら驚いてしまうだろう。そうなると、後片付けを頼むにも人が限定されてしまうだろう。と、思っていたのだが。
「何処かの部活が持っていくと思うから後で聞いてみるよ」
「部活!?」
「ハハ、ここの生徒はファンタジーにかなりの耐性がある。これも生物部が骨格標本にでもするんじゃないか?」
「嘘だろ……」
そんなの、異常じゃないか。と言いそうになったのを無理矢理飲み込む。ここは異世界だ。俺達の基準で普通だとか異常だとかを測るべきではない。
「氷河さんの考えていること、計算できますよ」
一哉が隣に並んでそう言ってきた。俺は黙って続きを促す。
「でも、全員が異常なら、その空間は既に普通です。核君はとても異常で……普通ですよ」
「…………」
一哉は戦っている時や一緒に歩いている時と変わらず微笑んでいる。
……俺も若いと言えば若いが、確実に彼らよりも五歳は年上だ。そんな彼らがなんと悟ったようなことを言うのだろう。俺達とは違う意味で苦労したのだと何となく思った。それと同時に……彼らは無理矢理大人になっている(大人びているではなく)様な気がした。実際、俺達が魔物に攻撃した時、核は無意識にだろうが顔が強張っていた。恭二は気が付いて無いだろうが。
「行きましょうか」
俺の考えを遮るようなタイミングの良い言葉に、一哉に気を使わせてしまったと反省した。
「頼りにしてるぜ」
「モチ!任せてくれよッ!」
イェイ!と親指を立てて笑う恭二にこっちの方が子供だなんて笑ってしまった。
「恭二じゃないけど、俺達が退治するから任せてくれよな」
自分達の世界に帰るとか、任務の為だとか、魔物退治をする理由は色々とあるが、彼らの為にやろう、とも少し思った。
「……ええ、お願いしますね」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

・現在の認識
瀬戸氷河
→学園の異常性を哀れんでいる。二人はもうちょっと大人を頼ってもいいんじゃないか?とか思ってる。
榎本恭二
→氷河に馴れ馴れしくする核に嫉妬している。異世界って楽しい。
赤空核
→氷河に何となく興味がある。
一一哉
→哀れみを受けても特に変わるつもりはない。本部世界の情報がもっと欲しい。
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