一次創作ファンタジー小説中心サイト。
このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
完結記念に全部うpしちゃいます。
空間論法殺法編。
零雨様の『最もシリーズ』と『本部シリーズ』がコラボ。
そして、零雨様に書いていただいた噂の本編でございます。
キャスト
榎本恭二(えのもときょうじ)
子供心の吸血鬼。
瀬戸氷河(せとひょうが)
凍てつく光の魔弾。
天城芳示(あまぎほうじ)
特攻鬼軍曹ガンナー。
大浦丙(おおうらひのえ)
微睡みのトラップ。
赤空核(あかぞらさね)
反面常識人。
多々角円(ほぼまるまどか)
ノンストップ重力。
一一哉(にのまえかずや)
計算の策師。
多々角環(ほぼまるたまき)
筒抜けの仲間想い。
空間論法殺法編。
零雨様の『最もシリーズ』と『本部シリーズ』がコラボ。
そして、零雨様に書いていただいた噂の本編でございます。
キャスト
榎本恭二(えのもときょうじ)
子供心の吸血鬼。
瀬戸氷河(せとひょうが)
凍てつく光の魔弾。
天城芳示(あまぎほうじ)
特攻鬼軍曹ガンナー。
大浦丙(おおうらひのえ)
微睡みのトラップ。
赤空核(あかぞらさね)
反面常識人。
多々角円(ほぼまるまどか)
ノンストップ重力。
一一哉(にのまえかずや)
計算の策師。
多々角環(ほぼまるたまき)
筒抜けの仲間想い。
※瀬戸氷河
「ちょっと待ってください」
後ろの方に居た一哉が俺たちに声を掛けた。俺は振り返り、皆も一哉の方を見る。一哉はすぐ横の教室を指差していた。
「この教室。この教室に入りましょう」
「え、何で?目的地じゃなくね?」
恭二が俺と同じ思いを口に出すが、同時に核がハッとした顔になった。
「いや、変更だ。早く入れ!」
一哉も核も険しい顔だったので、俺たちも言われるがままに教室に入る。芳示と合体した円が最後に扉を閉めた瞬間、だった。
廊下が、真っ白な光に覆われた。
「はあっ!?」
反射的に目を瞑るが、その光は一瞬で消え、廊下には二人の人間がいた。一人は深くフードを被った人間、もう一人はスーツを着た背の高い男だった。
「これは……とんだ計算狂わせだ」
「カズヤ先輩……どういうことですか?」
「面倒な事態が更にマズいになったということだぜ」
不安げな円だが、芳示に掴まったまま臨戦態勢を崩そうとはしない。俺もホルダーの銃を抜いて構えておく。
「あれって……犯人?」
「ええ。フードの方が魔術師の犯人です」
廊下の二人は何やら話している。丙の質問に答えた一哉の言葉に俺は驚く。
「魔術師!?学園内に居るから違うんじゃないのか?」
「魔術師じゃあないとは言ってないぞ。しかもあの魔術師……釣木学園の生徒だ」
魔術師でありこの学園の生徒。それは世界が違う二つの物であり、両立は不可能な筈だ。しかも、フードを深く被って顔もよく見えない姿なのに、何故そんなことが分かるのか。
「なんでそんなことが?」
「んなこと、どーでもいいだろうが」
苛立たしげに芳示が言葉を遮る。そのままガラリと扉を開けて彼らへ近付いていった。俺も追い掛けようとするが、核に腕を掴まれてしまう。
「待て。駄目だ」
予想以上に切羽詰まった核の声に、俺は教室を出るのを止めた。
「お前が犯人だな?」
芳示が魔術師へ銃を構えた。彼はビクリと体を震わせるとスーツの男の後ろへ隠れた。彼が何か話しているのが見える。
「……ああ、任せろ。俺様が守ってやるから」
スーツの男がそう言うのが聞こえた。
「アイツ、何者だ……?」
「赤空空木。『元』現国教師。まさか……実際に会うことが出来るなんて……凄い心だ」
環が上の空で答える。その視線は赤空空木と呼ばれた人物に集中していて、魔術師なんてどうでも良いようだった。
「赤空?核と同じだけど……どういうこと?」
「……俺の祖父だ。今は死んでいて俺も実際に会うのは初めてだが」
「死んでる?アイツ生身に見えるんだけど」
「神隠しは……時間軸さえも無視する様です」
つまり、過去から赤空空木は神隠しに遭って連れて来られたということか。しかし、攻撃する理由はあれど守ってやる理由なんて彼には無い筈だ。
「ソイツを渡せ。じゃなきゃテメーも撃つ」
「ちょっとホウジ!この人を刺激するのは……ッ!」
「お前らあああッッ!!」
耳を塞ぐ暇も無い、空木の突然の咆哮。ビリビリと窓ガラスが震えている。
「俺様のッ!学園の生徒にッ!手を出すんじゃねえええッッ!!」
ガラスにヒビが入る。ありえねえ!
吼え終わった空木は間髪入れずに芳示へと飛び出す。彼らは俺たちよりも衝撃が酷かったのかふらついていた。
「芳示ッ!」
彼らが反応する間もなく、空木は芳示の襟首を掴む。彼は二人を意図も容易く窓へと投げた。パリンッ!とガラスが割れる音と共に芳示と円は窓ガラスを突き破り、建物の外へと飛び出して行く。
「芳示ッ!円ッ!」
「氷河!逃げるぞッ!」
「逃がすと思ってるのかァ!?」
響く声で吼える空木は、教室にいる俺たちと空木のいる廊下を挟むガラスに跳び蹴りをかまして、教室内に入ってきた。
「恭二さん、右に避けてッ!」
心を読んだのだろう環が言った。恭二が右へと転がるのと、空木が恭二に殴りかかるのはほぼ同時だった。空振りに彼は盛大に舌打ちすると、環の方に向きを変えて再び殴りかかってくる。
「させるかッ!」
環を庇うように丙がスタンガンを構えて立つ。空木の拳を紙一重で避けるとバチバチと腹部を狙った。
「甘いな」
「丙さんッ!」
決まった、と思った瞬間、丙のスタンガンを持つ手が素早く動いて、スタンガンが彼自身の首に当たっていた。丙は顔を歪めて痙攣した後、がくりと膝をつく。いつの間にか空木の手にはスタンガンがあった。
「氷河」
俺の耳元で核が小さく話し掛ける。俺の手に核の手が重なり、しっかりと握られた。
「俺の手を離すなよ」
「聞こえてんだよッ!」
空木が俺たちにスタンガンを投げる。が、それは俺たちの体をすり抜け、後ろの壁へと突き刺さってしまった。
「一さん、任せたぜ」
核の声だけが妙にはっきり聞こえ、俺たちは転移していた。いつの間にか、フードの犯人も消えていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
赤空空木(あかぞらうつぎ)
五十年位前に釣木学園で現国教師をやってた人。赤空核の祖父で、既に死んでいるが、生きている時代から神隠しに遭ってここに来た。
釣木学園の生徒は全力で守る。人間だけど人間離れしている。
一人称は「俺様」、二人称は「貴様」「お前」。
「真夏の青春戦争」に出てます。
「ちょっと待ってください」
後ろの方に居た一哉が俺たちに声を掛けた。俺は振り返り、皆も一哉の方を見る。一哉はすぐ横の教室を指差していた。
「この教室。この教室に入りましょう」
「え、何で?目的地じゃなくね?」
恭二が俺と同じ思いを口に出すが、同時に核がハッとした顔になった。
「いや、変更だ。早く入れ!」
一哉も核も険しい顔だったので、俺たちも言われるがままに教室に入る。芳示と合体した円が最後に扉を閉めた瞬間、だった。
廊下が、真っ白な光に覆われた。
「はあっ!?」
反射的に目を瞑るが、その光は一瞬で消え、廊下には二人の人間がいた。一人は深くフードを被った人間、もう一人はスーツを着た背の高い男だった。
「これは……とんだ計算狂わせだ」
「カズヤ先輩……どういうことですか?」
「面倒な事態が更にマズいになったということだぜ」
不安げな円だが、芳示に掴まったまま臨戦態勢を崩そうとはしない。俺もホルダーの銃を抜いて構えておく。
「あれって……犯人?」
「ええ。フードの方が魔術師の犯人です」
廊下の二人は何やら話している。丙の質問に答えた一哉の言葉に俺は驚く。
「魔術師!?学園内に居るから違うんじゃないのか?」
「魔術師じゃあないとは言ってないぞ。しかもあの魔術師……釣木学園の生徒だ」
魔術師でありこの学園の生徒。それは世界が違う二つの物であり、両立は不可能な筈だ。しかも、フードを深く被って顔もよく見えない姿なのに、何故そんなことが分かるのか。
「なんでそんなことが?」
「んなこと、どーでもいいだろうが」
苛立たしげに芳示が言葉を遮る。そのままガラリと扉を開けて彼らへ近付いていった。俺も追い掛けようとするが、核に腕を掴まれてしまう。
「待て。駄目だ」
予想以上に切羽詰まった核の声に、俺は教室を出るのを止めた。
「お前が犯人だな?」
芳示が魔術師へ銃を構えた。彼はビクリと体を震わせるとスーツの男の後ろへ隠れた。彼が何か話しているのが見える。
「……ああ、任せろ。俺様が守ってやるから」
スーツの男がそう言うのが聞こえた。
「アイツ、何者だ……?」
「赤空空木。『元』現国教師。まさか……実際に会うことが出来るなんて……凄い心だ」
環が上の空で答える。その視線は赤空空木と呼ばれた人物に集中していて、魔術師なんてどうでも良いようだった。
「赤空?核と同じだけど……どういうこと?」
「……俺の祖父だ。今は死んでいて俺も実際に会うのは初めてだが」
「死んでる?アイツ生身に見えるんだけど」
「神隠しは……時間軸さえも無視する様です」
つまり、過去から赤空空木は神隠しに遭って連れて来られたということか。しかし、攻撃する理由はあれど守ってやる理由なんて彼には無い筈だ。
「ソイツを渡せ。じゃなきゃテメーも撃つ」
「ちょっとホウジ!この人を刺激するのは……ッ!」
「お前らあああッッ!!」
耳を塞ぐ暇も無い、空木の突然の咆哮。ビリビリと窓ガラスが震えている。
「俺様のッ!学園の生徒にッ!手を出すんじゃねえええッッ!!」
ガラスにヒビが入る。ありえねえ!
吼え終わった空木は間髪入れずに芳示へと飛び出す。彼らは俺たちよりも衝撃が酷かったのかふらついていた。
「芳示ッ!」
彼らが反応する間もなく、空木は芳示の襟首を掴む。彼は二人を意図も容易く窓へと投げた。パリンッ!とガラスが割れる音と共に芳示と円は窓ガラスを突き破り、建物の外へと飛び出して行く。
「芳示ッ!円ッ!」
「氷河!逃げるぞッ!」
「逃がすと思ってるのかァ!?」
響く声で吼える空木は、教室にいる俺たちと空木のいる廊下を挟むガラスに跳び蹴りをかまして、教室内に入ってきた。
「恭二さん、右に避けてッ!」
心を読んだのだろう環が言った。恭二が右へと転がるのと、空木が恭二に殴りかかるのはほぼ同時だった。空振りに彼は盛大に舌打ちすると、環の方に向きを変えて再び殴りかかってくる。
「させるかッ!」
環を庇うように丙がスタンガンを構えて立つ。空木の拳を紙一重で避けるとバチバチと腹部を狙った。
「甘いな」
「丙さんッ!」
決まった、と思った瞬間、丙のスタンガンを持つ手が素早く動いて、スタンガンが彼自身の首に当たっていた。丙は顔を歪めて痙攣した後、がくりと膝をつく。いつの間にか空木の手にはスタンガンがあった。
「氷河」
俺の耳元で核が小さく話し掛ける。俺の手に核の手が重なり、しっかりと握られた。
「俺の手を離すなよ」
「聞こえてんだよッ!」
空木が俺たちにスタンガンを投げる。が、それは俺たちの体をすり抜け、後ろの壁へと突き刺さってしまった。
「一さん、任せたぜ」
核の声だけが妙にはっきり聞こえ、俺たちは転移していた。いつの間にか、フードの犯人も消えていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
赤空空木(あかぞらうつぎ)
五十年位前に釣木学園で現国教師をやってた人。赤空核の祖父で、既に死んでいるが、生きている時代から神隠しに遭ってここに来た。
釣木学園の生徒は全力で守る。人間だけど人間離れしている。
一人称は「俺様」、二人称は「貴様」「お前」。
「真夏の青春戦争」に出てます。
PR
この記事にコメントする
最新記事
(11/10)
(05/05)
(10/08)
(06/09)
(03/26)
カテゴリー
アーカイブ
最古記事
(05/19)
(05/19)
(08/14)
(11/10)
(11/10)