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息抜き閑話休題に意味の分からない話を。

フルーツタルト化しました。

・二極背反
※瀬戸氷河
街に出る。日差しが差して気持ちのいい天気だ。
「さーて、何するかな?」
今日の俺はオフだ。休暇だ。
本部にいると、宮代さんなんかに捕まってしまいそうで逃げ出したはいいが、街に出てもすることがない。
俺は、今までどれだけ普通の日常というものを捨ててきたのだろうか。
普通にカフェでお茶でもすればいいじゃねぇか。
普通に服でも選んだらいいじゃねぇか。
俺は、今まで血に濡れすぎた。
それなら、今日ぐらいは普通を楽しんでみてもいいんじゃないか?
そうと決まれば、行くしかない!
俺は、軽くスキップしながら街を巡った。
「うーん……」
服屋に寄ってみる。
服って今までちょっと値の張るところにしか行かなかったから、こういう安いのが売りという店に寄るのは初めてかもしれない。
魔術師から身を隠すための帽子も選んでみるが、なかなかいいものがない。
「お客様、何かお探しでしょうか?」
迷いすぎたか店員に声をかけられてしまった。
「ああ、なんでもないんで。」
「失礼しました」
もういいものはないんだし、さっさと店を出ることにした。

行きつけのカフェというのが、出来ればいいんだけどな。
そんなに街に出れない分、こういう店事情に疎くなってしまうのはよくないことだ。
適当に入ったカフェで、コーヒーを飲む。
やはり専門店だけあって、おいしい。
本部で用意されるのは、インスタントばかりだ。
たまに小浜さんが、コーヒー豆を買ってきているらしい。
俺も、少しはもらいたいものだ。
「はぁ……」
一息つく。久しぶりにこんな休日過ごしたからな。
たまにはいいだろ。
ずっと戦ってばかりも疲れるし。
コーヒーと一緒に頼んだミルフィーユを一口。
久しぶりだろうか。上品な休日というのは。
俺らしくもない、のだろうか。
いや、本来俺小貴族だよ?忘れてんだろ、どいつもこいつも。
ったく……まぁ、そういう扱いされても嫌なだけなんだけどさ。

さて、落ち着いたところで次はどこへ向かおうかと広場に出る。
立ち止まった瞬間に、左から顔面を勢いよく殴り飛ばされた。
吹き飛ばされ地面に転がる。
殴った男は、黙ったままハンドガンを抜き、迷いなく撃った。
「……偽物」
俺を殺した男は、そう最後に呟いた。

※瀬戸氷河
「君、すごいね……」
魔術師は驚いた表情でこちらを見る。
「いや、まさか偽物を見つけた途端に音もなく声もなく、本気で殴り飛ばすなんて……。偽物でも君だよ?」
「偽物だったら、誤解される前に潰すだろ。ってか久々に思い切り殴れて気持ちよかったぜ?」
俺は、ハンドガンをくるりと回してしまう。
「……本当に喧嘩っ早いんだなぁ」
ていうかプロなんだなぁ、と。
呆れたように苦笑いする魔術師。
「で、どういうことだよ?」
「ん?この偽物のことかい?」
と、魔術師は先ほど俺が仕留めた偽物に触れる。
すると、偽物が煙とともに跡形もなく消えた。
「ッ!?」
「ははは、そんなに警戒しなくていいんじゃない?」
魔術師が穏やかに笑う。
「さて、理由だったね。とりあえずそこに座ろうか」
魔術師が広場噴水前のベンチに座る。
苛立ちながらも隣に座る。
「あの偽物は、平行世界の君だよ。神血のない君。」
「神血のない……世界……」
「そう。平和そうだっただろう?」
平和だったのか?俺はその偽物の休日を見ていないのでわからないのだが。
構わず魔術師は続ける。
「ねぇ、君は神血なんていらないんじゃないかな?」
「……」
「神血なんかなくたって、恭二君は君を愛してくれると思うよ?」
魔術師の言葉を、嘲笑う。
「確かに、神血なんかなくたって、恭二は俺を好きだって言ってくれるよ。けどな……それじゃ、恭二を満足させられないだろ?」
今度は、魔術師が分からないといった表情をする。
「どういう……?」
「俺に神血がなかったら、恭二にただの血を吸わせる、もしくは別の誰かの神血を吸うってことになるだろ?それは嫌だ。恭二が俺以外の奴の血を吸うなんて許さねぇ。」
俺は恭二のものなんだから。
強くそう告げた。
「……へぇ」
魔術師がにやにやと笑う。
「んだよ?」
「ずいぶん、大胆なことを言うんだね。昔の君じゃ言わなかったんじゃない?」
「お前が俺の過去を知ってるとは思えないけどな」
「知らないけどね」
けれど、と魔術師は話を続ける。
「君の言った言葉は、そのうち後悔するかもよ?というか、他の人だっているだろうに。」
「俺が好きなのは恭二だけだよ。後、恭二は誰にもやらないから」
「君ってそんな独占的だったんだ?」
「じゃなきゃ、俺は音もなく声もなくあの偽物をぶん殴れるようにならねぇと思うぜ?」
「あははは……。怖いなぁ、その脅し文句は」
「お前も同じようにしてやろうか?」
「遠慮しとく」
すぐに断られた。
「あの威力見たら、誰だって引くよ?」
「いや、俺芳示には勝てないし、本部の中では弱い方だぜ?」
「それ、謙遜っていうんだよ」
「……殴らせろ」
「なんで!?」
がたんと立ち上がる魔術師。
「というか、もう用事は済んだでしょ!?帰るんだからな!」
「無事に帰れると思ってんのか?」
俺が指を鳴らすと、魔術師の足元が凍りつく。
当然だ。仕掛けたんだから。
「ひいっ!?いつの間に?」
「あの偽物を作ったのはてめぇだろ?それで逃げられると思ってるのが間違いなんだよ」
俺も立ち上がり、拳を作る。
「そーだけどさー……教えてやったじゃん、俺ー?」
「問答無用!とにかく殴らせろ!」
殴る寸前に足元の氷を溶かし、思い切り殴り飛ばす。
ハンドガンを抜いて殺す気にまではなれなかった。
「ざまぁみやがれ!」
この時の俺は、最高に嫌な笑みをしていたのかもしれない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
意味の分からない話。
最初と最後で全然違う話。
氷河が相変わらず壊れてる話。
をまとめてみました。

というか告白させちまったいやふー!
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