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友人からのリクエスト、サプライズフレアの顛末。
二本立て。

・氷魔王と業火
※恋賀棺月
昔話をしようじゃないか。
二人の魔術を極めた王の話だ。
属性というのは魔術のテーマとしては、単純で面白くない。
それ故に初心者の魔術師が触れるテーマでもあるし、属性を極めた魔術師は魔術王からそれなりの地位を得られる。
そうして出来た属性の最高峰のまず二人が、フローズンアビスとサプライズフレアだ。
彼らというか、サプライズフレアはとにかくフローズンアビスを嫌っていた。
フローズンアビスの方が天才肌だったからね。
サプライズフレアは努力型だった。
それでも、フレアの魔術を会得した魔術師なんてそうそういないだろう。
「恋賀!」
「何かな?」
「あいつを殺したい。何か場所を用意してくれ」
「そうだね……無人島でも行ってみる?」
サプライズフレアが不敵に笑う。
「いいぜ……それなら俺も遠慮なく暴れられる」
「フレアってのは、とんでもないからさ、ここを壊されても困るし。転送係に二人を転送させるよ。」
「助かる。」
そして、二人を無人島に飛ばしてあげた。
名もなき孤島だ、沈んでも消されても何もないだろう。
そして、二人の島の映像を見ることにした。
『ようやく殺しに来たのか』
『本当にムカつくよな……てめぇはよ!』
フレアが爆発する。
遠慮なしの大爆発。
とんでもないね。
フローズンアビスはそれを何事もないかのように氷で防ぐ。
『くそっ……!』
『甘いな、貴様の攻撃は隙が大きすぎるんだ』
と、フローズンアビスがサプライズフレアの懐に入る。
堅実で隙のないフローズンアビスと、大ぶりで破壊力を持つサプライズフレア。
二人の攻防はなかなか見てて面白いものがある。
島も凍りついたり、大地が削れたりと恐ろしいものだ。
『て、めぇ……!』
『貴様の火はまだ弱いんじゃないのか?』
『っ、ざけんな!』
更にフレアが火力を増していく。
フローズンアビスの氷を徐々に溶かしていく。
『ぐっ……、貴様、私の氷を……!』
『殺してやる、てめぇなんか!』
『ふん、貴様に私は超えられまい!』
フローズンアビスの魔力も増す。
サプライズフレアのエネルギーが相当のものになる。
これは、まずいかもねぇ。
『死ねぇっ!』
巨大なフレアエネルギーがフローズンアビスに向けられる。
『ふふ、そんなもので……!』
島がフレアによって跡形もなく消えた。
そんなことだろうと思ってたけどさ……。
まぁ、これが彼らの戦いの最大の結末。
その後は知らないよ。だって、僕は死んだのだから。

・芳示と業火
※天城芳示
「もう、死ぬ覚悟は出来てるな?」
「最後に抵抗ぐらいはしようか!」
魔術師がフレアを発動させる。
大爆発が起こる。
「ッ!」
後ろに飛び下がる。
爆風も対策してりゃあ、あいつほどまともに食らわない。
だが、あいつの火力が高すぎてさすがに背後の壁に打ちつけられる。
「いっ、つ……」
すぐにハンドガンを構え、何発か撃つ。
「効くわけねぇだろ、そんなのが!」
簡易的なフレアで弾が溶かされる。
それを予測して、懐に潜り込む。
殴って事を済ませる。
こいつだけは。殴らないといけない。
「はっ!」
「おっと!」
うまく回避される。
だが、それで引き下がるつもりはない。
「お前、その戦い方……みたことあるな。」
「な……っ!」
「そうだ、神血だ。あいつも途端に殴ってきやがったんだよ」
神血。氷河。
あいつが魔術師に殴りかかるような事があるのか……。
まぁ、喧嘩っ早い奴だけども。
「ちっ、あの馬鹿野郎。手の内を晒すことあるかよ……!」
「まさか、喧嘩の先輩はお前だって?」
「そうだったら、どうすんだ!?」
再び距離を詰める。
あいつにフレアを使わせることなく追い詰めればいい。
躱しながらも魔術師は質問を重ねる。
「なるほどな、あれにいろいろ仕込んだのはお前か!面白れぇな!」
「氷河は、勝手に真似しただけだっつの!」
「ふーん、にしては必死だったぜ?首筋の傷を燃やした瞬間。」
「だから、か」
そうでもしなきゃ、あいつが暴れだすことはない。
あいつにとってあの傷は、何よりも大事なものだ。
だから、あそこで蹲ってたわけだ。
本当に、馬鹿だ。
「気づいてねぇとでも思ってんのか……!」
苛立ってくる。
それが魔術師に八つ当たりでもするかのように、速度を増す。
ある程度の所で、魔術師が俺の拳を止める。
「似てるなー、お前と俺は!」
「どこがだよ!」
「怒りに身を任せてしまうあたりがさ!俺に似てるんだよ!」
小さな炎が俺の体を燃やす。
すぐに離れると、魔術師が炎を消した。
「ちっ、やってくれるじゃねぇか」
「はははは!熱かったろ?」
嬉しそうに魔術師が、高く笑う。
「……冷静になれ、とかいいたいのか。」
「そうじゃねぇよ。燃え上がるほど怒ればいい。」
だが、俺の頭が冷静に冷えてしまう。
「んで、何が言いたい」
「お前はさ、ライバルみたいな存在がいるか?」
「はぁ?」
「あの氷の魔術師は、俺の敵だった。」
「……。」
いきなり何を言い出すんだ。
この壊れた魔術師は。
「でも、もう死んだんだろ。いなくなっちまった。張り合いがねぇ。」
「なるほどな。大体理解した」
こいつが壊れた理由を。
魔術師が求めていたのは、ライバルを超えることだったのか。
いなくなってしまえば、つまらない。
「もういいや。殺せよ」
「さっきまで、あんなに燃やしてくれて……そんなこと言うのかよ」
「もう、神血からかったしな。十分だろ。あいつのいない世界なんて。」
「そうだよ、俺が許せないのはそれだ。」
魔術師の後ろで、氷河は倒れている。
気絶しているわけではなさそうだ。
「俺は、氷河を守りに来たんだよ」
「……ふーん、なら殺せよ?」
魔術師の胸倉を掴み、顔を一発殴る。
その後、すぐにハンドガンを抜き、あいつの額を撃ち抜いた。
さて、氷河の所に行くか。
「ごほっ、くそ、喉焼かれたか……?」
喉元を押さえながら、あいつの所に向かう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
サプライズフレアの顛末編。
リクエストで頂いたので、さっくりと。
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