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氷河苛め祭。
アートメイズ編。
アートメイズ編。
・アートメイズの魔術師
※瀬戸氷河
目を開けると、そこは異空間だった。
「う……どこだ、ここ……」
見たことがあるような空間だ。
だが、一緒にいた丙がいない。
「丙……どこにいるんだ……」
探すためにもとりあえず、進むしかない。
目の前の階段を降りて行く。
美術館に行くだけだったのだから、もちろん武器は持っていない。
魔術師が関与しているとも思わなかった。
アーティナ・メビウス。
彼女が魔術師だったなんて。
階段を降りては上がりを繰り返す。
回りには灰色の背景しかなく、気味が悪い。
「これ……あの絵だ。迷宮、か」
気づいたときには遅すぎた。
手段もないので、ただ歩いていたがそれが罠だった。
疲労させるために、俺を迷宮に閉じ込めた。
どこかに魔力を奪い取るものでもあったのだろうか、疲れが増していく。
息が切れ始めた時に、丙の声がした。
「氷河!」
「ひのえ……」
丙は向こう側にいる。
もうひとつの迷宮に。
飛んでいけたらいいのに。
と、手を伸ばすと壁があるようでそれは遮られた。
「氷河!----!!」
「もう何いってんのかも聞こえねぇ……」
なにやらものが動く音がした。
大きな音だったはずだ。
ふと、下を見ると階段がずっと下に続いている。
「地下にいけって事かな……」
魔術師に誘われている。
誘われているがまま、下へと重い身体を引きずって歩く。
魔術師が出たら、治癒して殴ればいい。
今の俺だとそれもリスクのある作戦だ。
誰かに受けた呪い。
収まることはなく日に日に進行していく。
魔力を蝕んでいくような、そんな呪いだ。
灰色の背景から黒い背景へと変わる。
長そうな廊下には、何枚も絵が飾られていた。
どれもこれも奇妙な抽象画だ。
『神』、『運命』、『夜』、『月』……。
『神』という絵は破られた後がある。
「神なんていねぇってこと、だよな……」
そして、奥には俺が苦手とする絵、『赤』があった。
「また、この絵……!?」
なんだか前よりも赤色が黒ずんでいる。
背後から女の声がした。
「紅色、ちょーだい」
瞬間、ナイフが俺の足に突き刺さる。
「ぐ、ぁ……!?」
「ねぇ、いいでしょ?」
刺したのは、受付の女だった。
恐らくアーティナ・メビウス--魔術師だ。
傷口を広げるように、ナイフを動かす。
足に治癒術かけてナイフを抜き、その魔術師を蹴り飛ばす。
「はぁっ……、なに、すんだよ……」
魔術師は平然と起き上がる。
「新作の絵が描きたいのよ。でもね、赤が足りないの。こんな赤じゃなくてもっと綺麗な紅い色。」
魔術師はナイフの切っ先を見つめる。
俺の血を恍惚の表情で見つめる。
「いいよねぇ……この色で一枚の絵を描きたいわ--あの絵みたいに」
と、指を指したのは『赤』の絵。
「あの絵は、一人分の絵の具で描いたの。神血は貴重というけれど、一人分ならあのキャンバスで済みそうだわ。」
一人分の絵の具……。
あれは、一人を殺して描いたって事だ。
イカれてやがる。
「俺は、あの絵の画材にはならねぇよ……」
「何をいっているの?もう動けないでしょ?疲れきったでしょ?もう喋るのがやっとなんだよね?しかも、その魔力は、カースオリオン君のだよね?うふふ、相変わらず悪趣味なんだから!」
魔術師の言う通りだ。
身体は言うことを聞かない。
先程、治癒術を使ったことで呪いが加速し俺の身体を食らう。
「動けないならー、私が何したっていいよね?」
と、魔術師がナイフを振り上げる。
「ふふふふ……紅い色、ちょーだいね」
俺を殺すつもりもなく、ナイフは先程と逆の足に突き刺さった。
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ダーク路線なアートメイズ。
※瀬戸氷河
目を開けると、そこは異空間だった。
「う……どこだ、ここ……」
見たことがあるような空間だ。
だが、一緒にいた丙がいない。
「丙……どこにいるんだ……」
探すためにもとりあえず、進むしかない。
目の前の階段を降りて行く。
美術館に行くだけだったのだから、もちろん武器は持っていない。
魔術師が関与しているとも思わなかった。
アーティナ・メビウス。
彼女が魔術師だったなんて。
階段を降りては上がりを繰り返す。
回りには灰色の背景しかなく、気味が悪い。
「これ……あの絵だ。迷宮、か」
気づいたときには遅すぎた。
手段もないので、ただ歩いていたがそれが罠だった。
疲労させるために、俺を迷宮に閉じ込めた。
どこかに魔力を奪い取るものでもあったのだろうか、疲れが増していく。
息が切れ始めた時に、丙の声がした。
「氷河!」
「ひのえ……」
丙は向こう側にいる。
もうひとつの迷宮に。
飛んでいけたらいいのに。
と、手を伸ばすと壁があるようでそれは遮られた。
「氷河!----!!」
「もう何いってんのかも聞こえねぇ……」
なにやらものが動く音がした。
大きな音だったはずだ。
ふと、下を見ると階段がずっと下に続いている。
「地下にいけって事かな……」
魔術師に誘われている。
誘われているがまま、下へと重い身体を引きずって歩く。
魔術師が出たら、治癒して殴ればいい。
今の俺だとそれもリスクのある作戦だ。
誰かに受けた呪い。
収まることはなく日に日に進行していく。
魔力を蝕んでいくような、そんな呪いだ。
灰色の背景から黒い背景へと変わる。
長そうな廊下には、何枚も絵が飾られていた。
どれもこれも奇妙な抽象画だ。
『神』、『運命』、『夜』、『月』……。
『神』という絵は破られた後がある。
「神なんていねぇってこと、だよな……」
そして、奥には俺が苦手とする絵、『赤』があった。
「また、この絵……!?」
なんだか前よりも赤色が黒ずんでいる。
背後から女の声がした。
「紅色、ちょーだい」
瞬間、ナイフが俺の足に突き刺さる。
「ぐ、ぁ……!?」
「ねぇ、いいでしょ?」
刺したのは、受付の女だった。
恐らくアーティナ・メビウス--魔術師だ。
傷口を広げるように、ナイフを動かす。
足に治癒術かけてナイフを抜き、その魔術師を蹴り飛ばす。
「はぁっ……、なに、すんだよ……」
魔術師は平然と起き上がる。
「新作の絵が描きたいのよ。でもね、赤が足りないの。こんな赤じゃなくてもっと綺麗な紅い色。」
魔術師はナイフの切っ先を見つめる。
俺の血を恍惚の表情で見つめる。
「いいよねぇ……この色で一枚の絵を描きたいわ--あの絵みたいに」
と、指を指したのは『赤』の絵。
「あの絵は、一人分の絵の具で描いたの。神血は貴重というけれど、一人分ならあのキャンバスで済みそうだわ。」
一人分の絵の具……。
あれは、一人を殺して描いたって事だ。
イカれてやがる。
「俺は、あの絵の画材にはならねぇよ……」
「何をいっているの?もう動けないでしょ?疲れきったでしょ?もう喋るのがやっとなんだよね?しかも、その魔力は、カースオリオン君のだよね?うふふ、相変わらず悪趣味なんだから!」
魔術師の言う通りだ。
身体は言うことを聞かない。
先程、治癒術を使ったことで呪いが加速し俺の身体を食らう。
「動けないならー、私が何したっていいよね?」
と、魔術師がナイフを振り上げる。
「ふふふふ……紅い色、ちょーだいね」
俺を殺すつもりもなく、ナイフは先程と逆の足に突き刺さった。
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ダーク路線なアートメイズ。
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