コラボ第二段。

美少女と不良。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

自称半分名探偵助手
小城 リリス
こじろ リリス

※小城リリス
氷河さんが弾を切らしてから、魔物の対処は殴り飛ばすことになったのですが。
さらに器物破損が加速しています。
蹴り飛ばした魔物が窓ガラスに当たったりなんてしょっちゅうです。
「器物破損、15！」
「あれ……今度は壁の予定だったんだけど」
やはり専門は、銃のようです。
「リリスちゃん、ガラスの破片とか飛んでないか？怪我してないな？」
「それは大丈夫ですけど」
「なら、いいんだ。」

しらみ潰しに教室を開けていくなかで、ようやく図書室に入れました。
「あ、やりましたね！図書室ですよ！」
「ふーん、結構広いな……」
犯人から聞いたヒントを探すために、本を調べることにしました。
本当はカウンターとかみたほうが良かったのかもしれませんが、氷河さんが足早に本棚に向かっていました。
「なに読んでるんですか？」
「リリスちゃんからしたら、ただのカルト本だな」
本のタイトルを隠して答える氷河さん。
「氷河さんって、本とか読んでるんですか？」
「資料だけだよ。そんなに本は好きじゃなかった」
「それでは、勉強も苦手だったとか」
「いや、成績だけはよかったな。学年10位ぐらいには毎回いたぜ」
不良なのにどうして……。
いや、私の偏見なのかもしれません。
氷河さんは思ったより見た目通りの人なんだ。
「成績さえ押さえとけば何しても文句は言われないからな。教師からは素行だけ残念な奴って思われてた。他はいいから文句が言えないわけ」
「……ずるいですよ、それ」
学校というシステムを悪用してます。
見た目よくて成績さえ良ければいいんですかね？
「って、俺の話はいいだろ？リリスちゃんもなんか探したら？」
と、氷河さんが困ったように笑うので、私も別の本棚に向かいます。

「きゃっ！？」
一冊の本が私の目の前に落ちてきました。
それを手に取る。
タイトルは、異空間法。
「これが、ヒントかな……」
ぱら、と表紙をめくろうとすると、どこからか腕を捕まれました。
「ダメだよ、これは開けちゃ」
「え？」
いつのまに私の後ろに犯人さんがいて、掴んでいた手は消えていました。
「ど、どうしてですか？」
「それは禁断の書物。君の目には触れてはならないもの」
「……それなら、どうしてヒントに？」
「君のそばにいる男を殺すためさ。その書物はトラップなのさ」
「どうして氷河さんを？」
「それはね」
と、犯人がなにかを語ろうとした瞬間、犯人の腕を掴む氷河さん。
鋭い目で睨みながら、問いかけます。
「……リリスちゃんに、何してやがった？」
「やだなぁ、からかっただけだよ？冷たいから離してよ？」
「そう言われて離すわけねぇだろ？」
確かにこのあたりの気温が低くなっている気がした。
冷え込む？
「それじゃ、仕方ないね！」
犯人が急に姿を消します。
すり抜けられた氷河さんは、舌打ちをします。
「どこ逃げやがった？」
「うわああっ！」
不意打ちで私の目の前の本の帯に血文字が付きます。
びっくりしてしまった私は、転んでしまいそうになりますが、氷河さんが支えてくれます。
『こんどは たいいくかん』
血文字にはそう書かれていました。
「何処までもふざけやがって……」
氷河さんは、苛立たしげに呟きます。
私は氷河さんの体温が気になっていた。
彼の手が冷たい。凍りそうなほどに。
「あの……冷たい、です」
「え、あ、悪いな。……立てるか？」
すると、急に氷河さんの手の温度が程よくなった気がしました。
私はなんとか身を起こします。
「あの、ありがとうございます。」
「いいんだ。巻き込んでるのは俺なんだから」

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ぎこちないふたり。