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コラボ第二段。
美少女と不良。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

自称半分名探偵助手
小城 リリス
こじろ リリス


※瀬戸氷河
あの魔術師だけは許せない。
無関係の彼女に何度関わっているんだ。
狙うなら俺だけにすればいいものを、他人を利用するあの魔術師が許せない。
彼女が巻き込まれたのは俺のせいなんだ。
彼女に怪我をさせた日には、何するかわかんねぇな。
「氷河さん」
「ん?」
リリスちゃんが、教室の鍵をあけながら俺に声をかける。
「氷河さんは、どうして……犯人さんに恨まれているのですか?」
「…………」
ストレートに聞かれるとは思わなかった。
けど、言えるはずがない。
俺の血が悪いのだとか、人殺しをしていたからだとか。
「……わかったら、苦労しねぇよ」
「そうですよね。犯人さんに聞かなきゃ動機なんてわかんないですよね。」
リリスちゃんも、ぎこちなく笑う。
「あいつが、何か言っていたのか」
「犯人さんは、氷河さんを殺すために、トラップを仕掛けています。殺そうとしている理由も簡単に話してくれそうでした。」
「そのタイミングで、俺が来ちゃったわけか」
魔術師が余計なことを彼女に吹き込まなくて正解だ。
リリスちゃんには悪いけども。
「ええ。その時の氷河さんの目が鋭かったものですから、続きを促すことも出来ませんでした」
「……リリスちゃんは、聞きたかったのか?」
リリスちゃんは、目を伏せて答える。
「名探偵としては、聞きたかったです。でも、あそこで氷河さんが来てくれなかったら、私はどうなっていたか分からないから……。」
「そうか、悪いな。」
あの時、つい魔力が漏れて部屋を冷え込ませてしまった。
リリスちゃんが、冷たいと言ってくれたから戻せたが、彼女に怪しまれたはずだ。
頭に血が上ると、魔力が暴走するのは悪い癖だな。
「次、行こうぜ」
「あ、はい」
彼女の手を引き、教室を出る。

「リリスちゃん」
「はい?」
「俺さ、結構短気なんだよ。口より先に手が出てる。」
「不良だったんですもんね」
「だから、俺が切れたらリリスちゃんは逃げな」
「え?」
「……不良の喧嘩なんて、女の子には見苦しいだけだから、見ない方がいい」
「そう、なんですか?」
「探偵が、殺人現場を見たらつまんないだろ」
「それだと、氷河さんが死んじゃうみたいです」
「違う。死ぬのは犯人。」
「それだと、事件が変わってしまいます」
「いいじゃねぇか。俺はすでに犯罪おかしてんだし。」
「それとこれとは……」
「逃げた先でリリスちゃんが、魔物に襲われても、すぐに助けにいく。怪我なんて、怖い思いなんて、させないから。」
「氷河さん、そんなかっこいい言葉でごまかさないでください」
「……バレバレなのか。」
「全然下手です。犯人というものは、もう少し言葉遊びがうまくないと」
「犯人確定かよ」
「とりあえず軽犯罪は、裕さんと葉菊先生に報告しますから」
「……俺、殺されない?」
「軽犯罪なら、殴られるだけじゃないですか?」
「赤空ってだけで嫌なんだけどな……」
と、ここで会話を切り、魔物を殴る。
苛立っていたせいか、思った以上に飛んだ。
そのせいで、窓ガラスをまた割ってしまった。
「だから、器物破損16です。」
リリスちゃんが、怒ったように頬を膨らます。
「んー……武器ねぇかな……釘バットとか」
「あるわけないです。」
「じゃー、刃物。軽めのナイフとか」
「あるわけないです。」
リリスちゃんが、呆れて頭を抱える。
「大人しくしてれば、絶対かっこいいのに……」
「なめられたら、屈辱だろ」
「性根から不良でなければ、まともなのに」
「それ、よくいわれた。大人しくしてろって。」

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氷河がかっこいいことを言えるのは、罪悪感にまみれているから。

自分が悪いのに、彼女を巻き込んだから、と。
リリスちゃんは、言うほど気にしていないのに。

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