いいおっぱいってなんだよ。

ラッキースケベも変態もない話。

・アンラッキー性欲
※来鈴舞皆
「解せない」
「なにがだい？」
私の呟きを拾う木津樹さん。
「この本部の男子校のような欲求不満のなさが解せない」
「そりゃ、BL前提の世界観だからね。舞皆は、ただの癒しだよ。」
「はぁ……」
木津樹さんは、だらだらと本を読んでいる。
書類ではなくただの娯楽本。
「そうだねぇ、君が服をビリビリに裂かれてレイプされる寸前の状態とかなら、誰か反応するんじゃなーい？」
「仕事、押し付けますよ？」
「あはは、勘弁してほしいなー」
なんて話をするんだ、この男は。
「いいおっぱい持ってるじゃない。並ぐらいのさ。揉まれたりしないの？」
「木津樹さん、セクハラになりますよ？」
木津樹さんは、乾いた笑いを漏らす。
「でも、童貞いんのかな、ここ。」
「……どうしてそんな話を」
「榎本君のせいで童貞だと思ってた瀬戸君ですら、経験してんだもんねぇ。世の中分からないよね。」
「木津樹さん」
「でも、近寄りがたい雰囲気の舞皆も悪いと思うんだ。舞皆がもっと痴女みたいなキャラなら」
「木津樹さん！」
私は、レイピアを彼に向ける。
「仕事、しましょう？」
「……するする。」
木津樹さんに書類を押し付ける。

「はぁ……呆れた」
「あ、来鈴さーん」
恭二さんが、私を呼ぶ。
「来鈴さんってさー」
「何かしら？」
「スレンダーだよなー。美人さんって感じ。」
「……いきなりなにを」
「いや、木津樹さんが、誉めてあげてって言うからさー。改めてみてたんだけど、スレンダーだよねー！来鈴さん」
「木津樹、殺す……！」
恭二さんに、誉められたのは確かに嬉しいが、木津樹さんの陰謀だと思うと苛立ちしか沸き上がらない。
「あ、じゃーねー、来鈴さん」
恭二さんが手を降る。
申し訳ないわね。

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傷つく女の子も好きだよ！

いいおっぱい関係ないわ。