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コラボ第二段。
学生と偽学生。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

自称半分名探偵助手
小城 リリス
こじろ リリス

迷惑な名探偵
黒塚 裕
くろつか ゆう

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく


※小城リリス
氷河さんの着替えを終えたところで、体育館へ向かうことにしました。
なんだか氷河さんの足取りは重く、葉菊さんに背を押されながら歩いています。
武器を持っている氷河さんは、怖かったですが、制服を着ている氷河さんは接しやすいです。
怖いものがなくなったからでしょうか。
「さ、ついたね。事件現場だ。」
裕さんが扉に手をかける。
事件を目の前にした裕さんは、楽しそうだ。
「扉が冷えてる……」
「開けられるはずだぜー」
葉菊さんが、追い付いてきました。
氷河さんは、目を伏せています。
「氷河さん?」
「あ、ああ……なんでもない……から」
私からも目を反らして答えます。
がらりと重い扉が開きます。
「よっ、と……開いたね」
「全然、違うんですけど……」
開かれた体育館は、私が逃げ出したときとは全然別物だ。
体育館全体が凍りついていて、山積みだった机は散らかり、舞台には大きく血文字が書かれています。
「殺人未遂、だな」
裕さんが床についた血を見て、推理します。
「凶器はこの椅子だ。此処にだけ血が付着している。そして意味ありげなダイイングメッセージ。このメッセージは、ある人物に当てられたものだ。」
「え?答えを知っている人がいるんですか?」
「氷河さん。貴方なら分かるでしょう?このメッセージの意味を」
裕さんに問いかけられた氷河さんは、体育館の中に足を踏み入れ、答えます。
「ああ、その通りだ。その血文字は俺に向けられたものだ。『交差の始まりの場所』--それは、ここの屋上だ。」
「そこに犯人がいるはずだな。」
葉菊さんが、戻ろうとしたところを裕さんが、気になる言葉で引き留めます。
「待ってくれ。まだ気になることがあるんだが」
「何がですか?」
私が聞くと、裕さんは椅子を差します。
そして、氷河さんに問いかけるように言います。
「あの椅子の血は、どちらのものなんだろうか。」
「あれは……」
言葉に詰まる氷河さん。
「氷河さんか、犯人か。二択でしょう?」
答えられずに一歩下がる氷河さん。
裕さんは、楽しそうに笑います。
「聡明だな。そう、どちらを答えても疑惑が生じる。そしてそれを説明することができないから黙ってる。そうだろう?」
「よく、わかってんじゃねぇか……」
「俺に誤魔化しが通じないと思ってもらっただけありがたいよ。」
「名探偵なんだろ?どうせ見破られるはったりをきかせるほど、動揺しちゃいない」
言葉で牽制しあってるような二人。
裕さんは、こういう駆け引きを楽しんでいる人だ。
氷河さんが、ズボンのポケットに手をいれる。
「俺は、興味本意から真実を洗い出そうとしているだけなのに。対したことないなら教えてもらえません?」
「知らない方がいいこともあるんだぜ?藪をつついたら蛇以上のものが出ることだってあるんだからな」
「俺は、そういうものが欲しいんだよ。」
「後悔するぜ?」
「今のところしていない」
「そんなことが言えるのは、今だけだ」
「……例えば、氷河さんについてとか調べたら、蛇以上のものが出るんですかね?」
「蛇なんてもんじゃない、どす黒いものしか見えねぇよ」
「瀬戸氷河。年齢22。異変解決専門家--は嘘だよな。容姿端麗、文武両道、手先が器用で銃器の扱いに長け、格闘術の心得もある。そして、学生時代に彼を大きく変えた出来事がある。後は気になる点が二つ。」
「お前……ッ」
「リリスから聞いた話と俺が見たものをまとめただけだ。動揺するなよ」
「聞いて少し話しただけで、そこまで暴かれると気持ち悪いな」
「探偵だからな。」
「名探偵ね……なるほど、お前は」
「ああああああー!!!長いんだよ、お前ら!」
葉菊さんが、耐えきれずに叫びだします。
氷河さんは、びくりと反応して咄嗟に耳を塞ぎます。
裕さんは、残念そうに微笑みます。
「葉菊さん、行きましょう。屋上だ。」
「お前が長話するからだろ。ったくこれだから名探偵は」
「ははは、珍しく面白そうな謎に出会えたもので」
裕さんは、颯爽と体育館を出ます。
葉菊さんが、氷河さんの肩を叩きます。
「おい、いつまで耳を塞いでんだ。」
「いきなり大声出すからだろ……。」
「お前らが悪いんだ。ほら、さっさとしろ」
「分かってるよ……あーもー」
氷河さんも、頭を抱えながら体育館を出ます。
「リリスちゃん、ぼーっとしてんなよ」
「あ、はい」
氷河さんに声をかけられて我に返る私。
圧倒されていました。

------------------
暴かれかける氷河。
探偵の圧迫尋問。

謎があるならどこまでも。
異世界すら例外じゃない。

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