変態トークより。

妖艶バカップルいち。

・セキュリティピロー
※榎本恭二
深夜三時。
俺はまだまだ騒いでいられるが、氷河は大分辛そうだ。
瞼を擦りながら、ぼんやりした目で俺を見る。
「きょーじ……もう、寝るから、な……」
「ん、おやすみー」
すぐに寝息が聞こえる。
ラウンジとかで、昼寝してるときはすぐに目が覚めてしまう氷河だけど、俺といるときは熟睡してるのか、俺が少し動いても起きない。
あんまり離れると寝ぼけて服の裾を掴まれる。
無意識のデレ。俺限定。
「へへへ……」
思い返すとにやにやしてつい笑ってしまう。
氷河を安心させるなんて、俺だけだもん。
こんな油断しきった氷河は、今ぐらいしか見れない。
普段は警戒しすぎてるしな。
「だーって俺が離さないもんっ」
小声で呟き、氷河を抱き寄せる。
「ん……？」
「あ、ごめん。」
寝ぼけている声で氷河が囁く。
「ちょっと苦しい……離れろ……」
抱き付きすぎたか。
手を離して距離をとると、今度は氷河から寄せられる。
「さみぃだろ……はなれすぎ……」
「我儘だな」
「恭二ほど、じゃない……」
「……そーかもな」
「……はなれる、なよ……」
また寝てしまった。
寝惚けて目が虚ろな氷河も可愛い。
無意識のデレだしな。
今のことを氷河は全く覚えていない。
夢になってしまうのかも。
前に一度今の話をしたら、恥ずかしがって動揺してたなー。
可愛かったなーうん。
氷河の頭を撫でて、答える。
「離すわけないのに」
離れるわけもない。
不安がってかーわいー。
やっぱり抱き付いて寝ることにした。
氷河は寝苦しそうに呻いていた。

※瀬戸氷河
恭二は夜型だ。
だから朝は全く目をさまさない。
先に目を覚ますのは、俺だ。
「また、脱がされてる……」
羽織る形で着ていた上着を着直す。
恭二は俺に抱きついたまま寝ているので、迂闊に動けない。
あんまり離れると寝ぼけて服の裾を引っ張ってくるからな。
「ったく、俺は抱き枕かよ……」
呆れながらも恭二に布団をかけ直す。
しばらく恭二の寝顔でも見てるとするか。
ほんと、幸せそうで……。
「だーって、俺のだもーん……」
寝言で呟く恭二。
「はいはい、俺は恭二のものだよ」
と、答えてやると恭二が嬉しそうに笑ってくれた。
聞こえてんのかよ……。
と、のんびりしてる暇がなくなってきた。
時計をみればもう9時。
恭二を揺すって起こす。
「おい恭二」
「やーだー、まだ寝たいー」
恭二が布団を引っ張る。
起きてたな、こいつ……。
「馬鹿言ってんな、起きろ」
「んんー……」
「ったく……」
全く起きる気配のない恭二に頭を抱える。
確かにいつものことなんだが。
「恭二、いい加減にしろって」
「へへー……」
にやにやしてやがる。
むかつく。
「恭二」
「もっと呼んでー……へへへ……」
「……恭二」
「もっとー」
「きょう、じ……」
段々恥ずかしくなってきたんだけど。
恭二、絶対起きてやがるな。
「もっとー」
「いい加減にしろ！」
布団を剥ぎ取る。
「さーむーいー……」
寝惚けている恭二は、俺にベッタリ抱き付く。
「ちょっ、そうじゃないだろ！？」
「暖かーい……」
「……そりゃ、そうだろ」
人肌が一番安心するとか言うしな。
今、俺の体温あがってそうだし。
恥ずかしいというか、照れ臭いと言うか。
こんなんじゃ、朝からどうにかなりそうだ。
「恭二ー……勘弁してくれよ……」
「じゃー、許してやるかー」
恭二が普通にベッドから降りる。
声も寝惚けたトーンじゃない。
「てめ、からかってんじゃねぇぞ」
「あいたっ」
軽く恭二の頭を叩いた。

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こいつら書いてると叫びたくなります。
歯止めも利かなくなります。
オチも着きにくくなります。

変態トーク派生はまだまだあるんですけどねぇ……。