氷河苛め祭。

フラクタルミラージュ編。

お帰り本編！
ひゃっほう！

・フラクタルミラージュの魔術師
※瀬戸氷河
丙の用意した毒により力が抜けていく。
蜘蛛の糸のように絡められた俺は、抵抗も出来なくなっていた。
丙がくすくす笑う。
「動けなくなってきた？」
「……っは、糸が頑丈なんだよ。」
「神血のせいかな？苦しくないの？」
「強がるのがやっと、って感じ、だな……」
息も絶え絶えに答える。
丙は、また新たな注射器を取り出す。
「今度は……苦しんでくれるよね？」
「－－ッ！」
腕に注射器が刺される寸前、丙が何者かに蹴り飛ばされた。
蹴り飛ばしたのは、芳示だ。
「丙、ずるいじゃねぇか」
「ずるいって何が？」
「この蝶は俺のだって言ってんだよ。弄びすぎだ。」
と、芳示が持っていたナイフで糸を切る。
ようやく拘束がとかれる。
「……助かった、芳示」
「いいってことだ」
芳示が怪しく笑う。
何かを企んでいるような笑み。
立ち上がった丙が針を構える。
芳示は迷いなく丙を撃った。
「……芳示！？」
「だーいじょぶ。」
丙を見ると、その姿が霧のように消えた。
「幻惑だったのか……」
「さて、氷河。自分に治癒術かけろ」
「え？」
「いいから」
芳示に言われるがまま、治癒術を自分にかける。
傷はある程度消えるが、毒が微妙に残る。
「ぐっ……ぅ……」
呪いが進行する。
胸を押さえていると、芳示が俺を見下げたまま訊ねる。
「もう限界か？」
「……っ、しばらく、魔力は使えねぇ……」
「そうかそうか。ならしょうがねぇな。」
芳示が急に俺の腹に鋭い蹴りを入れる。
「が……っ！？」
腹を抱えうつ伏せに倒れると、芳示は俺を足蹴にする。
「ほう、じ……ッ！」
「これ以上直らないなら仕方ねぇ。苦しいけど我慢してろよ？」
しゃがんで耳元で囁く。
「お前は俺のものだ。だったら、何されたって文句言わねぇよな？」
「そんな、思い通りになると思うなよ……」
「おいおい、お前が俺に勝てたことあったかよ？お前は俺の下だよ。一生な。」
首根っこを掴まれて立たされ、払われふらつく。
「そのお前の身体は好きだぜ？白くて綺麗でさー……血がなんとも似合っててさ。ずーっと見てるとそそるよなぁ……。苦しめたくなる。」
芳示の表情が、愉悦に歪む。
「な、にを……」
「楽しまさしてくれよ？どうせ時間たてば魔力だって回復すんだろ。そしたらまた治癒術を使えばいいじゃねぇか。手頃なサンドバッグ。永久機関だな。」
「そんな永久機関が、出来るわけ……ねぇだろ……！」
俺は呪われてる身だ。
治癒術を使う度に体力に負荷がかかっている。
いや、呪われていなくても。
魔力に限界はある。
そんなものは作れない。
「氷河、俺に逆らうのか？」
「逆らうも何も……」
芳示が苛立った様子でこちらに歩いてくる。
俺は何故だかそれが怖いと感じた。
芳示の実力を充分すぎる程、知っているからだ。
「お前は俺の言うことだけ聞いてりゃいいんだよ」
「……っ」
「怖がんな。死なせはしねぇよ。お前が死にたくなるほどいたぶってやるけど。」
「なんで……だよ……」
恐怖を押さえつつ、聞く。
「お前が恋をするべきは最初に助けた俺だろ？だったら何で後から出てきた恭二に恋してんだよ。その好意を向けるべきは俺だろ。なぁ、どうして恭二なんだよ。何で俺が恭二に劣るんだよ。なぁ？」
「そ、れは……」
丙にも聞かれた質問。
答えなんて出せるわけがない。
しかし、出さなければ芳示にされることなんてわかりきっている。
何者にも勝る暴力が、俺に向けられる。
「くく、その表情が見たかったんだよ。その怯えてる表情。そうだよ、お前は俺に怯えてればいい。支配した気になれるからな。」
芳示が俺に手を伸ばす。
その手を払うと、すぐに殴られた。
「これは当たり前の暴力なんだから、なぁ？」

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DVをバイオレンスに。
しかし、細かく殴られてる描写は書けない。
きついっちゃきついからな。

各自のバイオレンスさに任せます。