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氷河苛め祭。

フラクタルミラージュ編。

・フラクタルミラージュの魔術師
※天城芳示
異空間。
真っ暗で星のような明かりしかない空間だ。
そこで、恭二に言われるがままナイフを腕に刺す氷河を見た。
「氷河……っ」
こちらの恭二が目尻に涙を浮かべる。
氷河は嬉しそうに恭二に血を捧げる。
狂ってやがる。
俺はすぐにあの二人の元に向かう。
「芳示!?」
丙が俺を制しようと叫ぶ。
だが、そんなもの聞き入れない。
「目ぇ覚ましやがれ!」
氷河を思いきり蹴り飛ばす。
咄嗟にガードされるが、表情が強張っていた。
それでも、思いきり吹き飛ぶ氷河。
「芳示!今のは……っ!」
恭二が俺につかみかかる。
丙は心配そうに氷河を見る。
「目ぇ……覚めたかよ?」
ゆっくりと起き上がる氷河は、口元の血を拭い笑う。
「あぁ……荒っぽいんだよ、芳示は」
「そりゃ悪かったな」
「氷河!」
堪えきれずに恭二が氷河に抱きつく。
「恭二……いてぇよ……」
「だって、だってだってぇ……!」
恭二が泣き出した。
氷河が戸惑っている。
丙がそんな氷河を疑心の目で見ていた。
「……あのさぁ、人の奴隷をとらないでくれる?」
「あ、忘れてたな。偽者恭二」
偽者恭二が、俺たちを睨む。
俺は迷いなく銃をつきつけ、トリガーを引く。
撃たれた恭二は霧のように消えた。
「氷河……」
丙が氷河に針を向ける。
「本当に氷河?」
氷河からの答えはなく、すぐに霧となって消えた。
「氷河が……いない……?」
恭二がぼんやりと呟く。
「……氷河なら、まだ強がってたよ。」
丙が、針をしまう。
「奥だろ、行くぞ」
俺はそんな恭二を引っ張って、奥に向かう。
恭二は氷河をとても心配していた。
呪いが大分進行していたからだ。
いつ治癒術が使えなくなってもおかしくないと柊に言われてから、恭二はずっと氷河を気にかけていた。
また大きな広間。
中央に氷河が倒れていた。
「氷河!」
恭二がかけよる。
「恭二か……助かった。」
恭二の手を借りて、立ち上がろうとする氷河。
だが恭二が、途中で引き上げるのを止めた
「魔力が違う……氷河はどこ?」
また氷河の偽物だったようで、霧のように消えた。
「……氷河は、どうなってやがる」
苛立ちをぶつけるように、呟く。
「きっと奥だ。何かあったに違いないよ。

丙も警戒しながら答える。
「ごめん、先行く!」
恭二が奥へと走る。
耐えきれなくなったんだろう。
「待て、俺も行く!」
俺たちも恭二を追いかける。

長い廊下の果ての最奥の広間。
そこには二人の男がいた。
困ったように笑う男が言う。
「俺が苦しめてるうちに、カースオリオンに蝕まれてしまったようなんだ。助けてくれないか?」
中央で苦しそうに呻いている男--氷河は、傷だらけであった。
どこまでが本物のあいつだったかも分からない。
ただ氷河から確かに闇の魔力が漏れ出していた。

------------------
次で終わるかなー。



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