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コラボ第三弾。
学園パロディでギャグとシリアルを与えてみせる!
転校編。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく

平穏を望む主人公
伊勢 零一
いせ れいいち

普通で普通な女子学生
井伊原 友恵
いいはら ともえ


※瀬戸氷河
というわけで、本当に教室の前まで来てしまった。
おいどうすんだよ、こんなの無理だって。
まだ銃撃戦してた方がマシだったって。
魔術師による補正も、俺自身に効果が伝わらない。
『お前らにいいニュースを持ってきた。こんなへんぴな時期に転校生が来るぞー』
『転校生?まだ、5月だよね?』
『ゲームみたいな話になってんなー』
ドア越しの教室で葉菊さんが、話を進めていく。
へんぴ言うなよ、てめぇのせいだろ……。
『男子?女子?』
『んー、どっちつかず?』
『なんだよ、それー!』
その話の持ち上げ方が腹立たしいぐらいだ。
生徒煽るのやめろ。
それにどっちつかずってなんだ、俺はそこまで中性的ではない、はずだぞ。
『まぁ言っておくと男だ。でも、見て驚くなよ。面白いぐらいに中性的だから』
『きゃー!』
教室がヒートアップしていく。
やめろ、本当にやめてくれ。
出てきにくいだろ。逃げたくなるだろ。
『じゃ、入ってきてもらおうか!』
葉菊さんの悪い顔が想像できる。
人をからかうことに関しては達者だよ、あの人は。
意を決して、ドアを開ける。
教卓まで向かうと、葉菊さんが生徒に聞こえないように小声で囁く。
「気分はどうだ?」
「最悪だ。持ち上げすぎだろ、どう考えても」
「そんなことはないと思うがな?」
「覚えてろよな……」
「ちょっと先生、内緒話とかずーるーい!」
女生徒の声に答えるように葉菊さんが教卓に向き直る。
「ああ、悪かった!じゃ、自分の名前ぐらい書け」
「……苦手なんだけどな、チョーク」
うまいこと文字のバランスが合わない。
苦戦しながらも書き上げる。
それでも、あいつ字うますぎね?という声が聞こえた。
「瀬戸氷河です。よろしく。」
社交的に微笑む。
余談であるが、こういう営業スマイルは、幼い頃に学ばされたものだ。
下級であっても少しの間だけ貴族だった俺は、何度か城や上流貴族のパーティーに呼ばれていたことがある。
息苦しくてやっていられず、最初のパーティー以外途中で逃げ出した。
それでも挨拶だけはさせられた。
そのせいか本部内でもその癖は抜けずに、初対面の依頼人なんかには、営業スマイルで対応することが多い。
来鈴さんには助かるわ、と褒められたが、ほかの連中に言わせると俺の作り笑顔は怖いらしい。
「瀬戸の席は、あそこでいいか?窓際後列のあれ。」
「むしろ助かります。葉菊先生」
葉菊さんにも、作り笑いで対応してやると、また小声で囁かれる。
「お前、やりにくいな。」
「はっ、いつも不良みたいな態度だとやっていけないだろ?」
「社交性に期待して正解だった。」
と、会話してから後列窓際の席に座る。
ちょうどいいポジションだ。後ろだから必要以上に警戒されない。
窓が見えるというのもいいものだ。俺の部屋の窓は殺されたからな。

授業など、当然聞いているわけもない。
教科書とノートその他文具類はご丁寧に支給されている。
教科書とノートは適当に開き、文具類は選別して俺の仕込み武器とさせてもらった。
いつまでもこういう警戒心が抜けないのは、俺の悪い癖なのかもしれない。
ギャグ?だからなんだというのだ。俺には関係ないだろ。
授業終わりで生徒が集まってくるかと思いきや、そうでもなかった。
それに安心して、退屈まぎれに窓でも見ていると男女の二人組がやってきていた。
「氷河さん!」
「……いきなり、なれなれしくないか?」
女生徒がいきなり名前で呼ぶ。
学園でいきなり名前呼びは珍しいよな?
「そんなことないんだよ、だよ!」
「友恵はあれだ。これがいつものことだ」
男の方が、女生徒を制する。
「俺は伊勢零一。」
「私は井伊原友恵だよ、だよ!」
急に二人に自己紹介される。
戸惑う俺を無視して、二人は話を進める。
「いやさ、お前一人みたいだから、チャンスだと思って。葉菊先生と親しそうだったし」
「……葉菊先生と何か関係が?」
葉菊さんとの関係者はだいたい疑うことにした。
彼女の周りに普通でない人間が寄せられていると仮定したからだ。
いや、彼女というより俺は赤空という家系に警戒している。
赤空核には、円であり一哉であり環でありと異常な能力者が周りに集まっている。
赤空葉菊にも、きっとそういう能力者とのコミュニティがあるに違いないと仮定する。
「葉菊先生は、俺達生物部によく入り浸る先生だからな。」
「ほんとはミス研の顧問なのに、のに!」
「成程な……」
生物部、か。
裕のいるミス研を放ってそこに行くんだ。
恐らく生物部とやらが釣木学園の異常者の集まりだろう。
「で、そういうお前はどうなんだ?」
「俺はー、なんていうか無理やり連れてこられた感じだな。親の都合でへんぴな時期になったのは認めるが、強引に俺を釣木学園に編入させやがって、ここに押し込まれた。」
普通らしい嘘を吐く。
葉菊さんだからこそ通る滅茶苦茶な嘘だ。
「なかなか面白い事情だぞ、それ」
伊勢も葉菊さんを知る人だからか、呆れ笑いで信じてくれた。
「あ!授業始まっちゃうよ、よ!」
井伊原が慌てて自分の机に戻る。
伊勢は彼女が戻ったの確認してから、俺に聞く。
「お前、あっち側の人?」
「あっち?」
「ファンタジー側?」
確信をついた質問だった。
成程、異常な能力者はここにいたか。
答える代わりにカッターを奴に向ける。
伊勢はびくりと反応する。
そのリアクションに安心して、カッターをしまう。
「分かってんなら、近付くな。」
「そうしてぇけど、無理な予感がするんだよな、俺」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コラボ書いてると、氷河を嫌な奴にしたくなります。
だって本部は嫌な組織だもの。
カッターを向けてみたのは、第二世代ぐらいの能力者だと思っていたから。
実際は普通の反応で、安心して警告する。

ちなみにこのコラボのやりたいことは、せいぶつのはなしの主役である零一と絡むためにやったみたいなとこが大きいです。

さて、どうなることやら。
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