コラボ第三弾。
学園パロディで嘘と真実を捧げてみせる！
授業編。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

最強の現国教師
赤空 葉菊
あかぞら はぎく

平穏を望む主人公
伊勢 零一
いせ れいいち

普通で普通な女子学生
井伊原 友恵
いいはら ともえ

※瀬戸氷河
釣木学園に編入させられてから一週間が経過した。
授業が始まり、退屈ながらも俺はそれを受ける。
学生という身分にされてしまったのだから、仕方ない。
教科書とノートは適当なページを開いたまま、俺はシャーペンを手に窓を見る。
俺の部屋に失われた青い空。
本部から見える世界は、だいたい荒野なのであまり楽しくはない。
だが、ここは街がちゃんと見える。
本部の世界にはない平穏を持っている。
「おい瀬戸！」
「はい？」
葉菊さんが、俺を呼ぶ。
なんだか不機嫌そうだ。
「私の話を聞いているのか？」
「聞いてますよ。１３ページの４行目ぐらいの話だろ？」
「そうだ。聞いているならいい。だが……」
葉菊さんがチョークをこちらに投げる。
教師らしからぬ弾速だが、こういう事になれている俺は首をひねるだけで回避する。
「ちっ、お前プロだったの忘れてた」
葉菊さんが舌打ちをする。
そしてまた一本のチョークを手にする。
黒板に文字を書くのかと思いきや、また俺に投げる。
「授業しろよ！」
「いーや、貴様が振り向くまで授業はしないぞ！」
「はた迷惑な……」
ため息をついて、窓から黒板へと視線をうつす。
肘をついてシャーペンをくるりと回す。
「ほら、どうぞ。」
「よし、再開するぞ」
急に上機嫌になった葉菊さんは、楽しげに授業を再開した。
授業終わり、俺は葉菊さんにこっそりと聞いてみた。
「なんであんなに俺に固執したんだよ？」
「ああ、お前の授業態度の悪さが教師に評判でな。誰もお前を振り向かせられないって嘆いていたのさ。そこで私が更生させて、自慢しようと思ってな」
「あぁ……そうかよ……」
「ちゃんと他の教師の授業も聞いてやれよ。まぁ、知ってることだらけでつまらないとは思う。だが、付き合ってやるのも大事だぞ？」
「それがつまんねぇから、俺は逃げ出したんだよ」
人に合わせてパーティーに付き合うのが嫌だから。
本部連中でやるようなパーティーならいいが、貴族間の上品な空気にはとてもじゃないが、耐えられない。
上品な裏に腹の探り合いをしているみたいで、気味が悪い。
「氷河」
不意に声をかけられた。
振り返ると、転校初日に声をかけてきた男がいた。
「伊勢……だったか。」
「そうそう」
「おう、そうだ。今日そっち行くから。お茶用意しとけ。」
「かしこまりました」
葉菊さんが横暴にも伊勢に命令する。
伊勢は受け答え丁寧に礼をする。お前はよくできた執事か。
「……使われてんの？」
「使われてんの」
「じゃあな！」
葉菊さんが上機嫌で、教室を出る。
伊勢が深いため息を吐く。
「また来るのかー、葉菊先生」
「生物部、だったよな、確か。なんかあるのか？」
「ああ、ハーブ育ててる。それにクラゲもいるし、モンハンできるし。」
伊勢からの答えに少し戸惑う。
そういやこの前猟銃も落ちてたよな……。
生物部ってなんでもありなのか？
さすが異常の中心地。
「なになに？ゲームの話かな？かな？」
井伊原さんまで、食いついてくる。
ゲームの話は、一切していないと思うのだが……。
「生物部の話。」
「なーんだ、勧誘じゃん。」
「言っとくが入らねぇぞ。」
「なら、無意味じゃん。」
すぐに本部に戻る予定なんだから。
とは、言わずに。

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生物部に対して過剰な期待を抱かせる。
ああー、どないしよー！