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コラボ補足編。

零雨様の『最もシリーズ』と『本部シリーズ』がコラボ。
零雨様に書いて頂いた噂の補足編。

キャスト
瀬戸氷河(せとひょうが)
凍てつく光の魔弾。
メールガス・セルシエラ
英語教師。
熊崎華僑(くまざきかきょう)
物理教師。

・魔術師と魔法使い
※瀬戸氷河
「あー、ヒョウガ・セト?」
「……なんですか?」
廊下を歩いていたら銀髪の教師に話し掛けられた。俺がそちらを向くと、彼は嬉しそうに笑った。
「ワタシ、メールガス・セルシエラ。セルシーと呼ぶと良いね。英語の教師をやってるよ」
「どうも」
自己紹介されたので軽く頭を下げる。と、セルシエラは更に笑みを深くした。
「キミは魔術師らしいね?ミス・ハギクから聞いたよ」
「……っ。だったら、何だって言うんですか」
「ワタシは魔法使いね」
「!」
こてりと首を傾げて言ったセルシエラに俺は咄嗟に腰に手をやってしまった。普段は銃がしまってある部分には何も仕込んで無い。何故なら今俺は学生をしていて、学生に拳銃なんて物騒なものは要らないんだそうだ。
「で、その魔術師のセルシエラ先生が何の用です?」
「ノーノー。魔術師じゃなくて魔法使い。マジックユーザーとウィザードは似てるけど違うものです」
彼はそのまま語り出しそうになったが、目だけ周囲を見回すと一つ咳払いをした。
「立ち話は好ましくない。よろしければ一緒に来て欲しいね」
魔術師と魔法使い。一体何が違うというのか。本部と釣木学園で倫理観が違うように、能力者の区別もまた違うのかもしれない。
「構いませんよ」
「ありがとう!」
そうしてセルシエラは歩き出す。何処へ向かうのは分からないが、今の様子を見る限り赤空葉菊より突飛なことを仕出かしはしないだろう。
「魔術を使う者は呼び方が色々ある。魔法使い、魔術師、魔女、賢者、魔導師、とかとかとか。同じ魔術を使う者でもニュアンスが微妙に違うね、この釣木学園では」
彼は手に持っていた物を俺に見せた。『一年D組出席簿』と書いてある。
「何に見える?」
「普通の出席簿……に、見えますけど」
「ワタシの魔導書よ」
「えっ!?」
「ワタシは魔法使いです。攻撃的な魔術を使う魔術師も治癒術などを扱う賢者も一緒にした、『魔法』を使う者がワタシです」
「魔法、使い……」
「だからワタシは炎も氷も雷も出せるし、人を治癒したり甦らせることも出来るね。ワタシは万能です」
さらりと自画自賛した彼はニッコリ笑い掛けてきた。俺は作り笑いを返す。
「じゃあ例えば……氷魔術と光魔術と治癒術が使える人間ならここでは何て言うんだ?」
「んー……未熟な魔法使いかな。特に得意なものがあるのならば魔術師や賢者と名乗るよ。何故なら、その方が格好いい」
その判別の仕方に俺はちょっと呆れた。まるで適当だ。ほとんど個人の考え方に委ねている。ここまで考えて、本部の世界もそんな感じであったことを思い出した。
「……フフ」
「?どうしたの?」
「なんか適当だなーって……ハハ」
「そういう物ね!」
その後、赤空葉菊に俺が連れ去られたので、彼とは詳しい話はできなかったが、是非とも別の機会に話を聞きたいものだ。


・格闘家と合気道家
※瀬戸氷河
「瀬戸」
四限後の昼休み。俺が机でのんびり伸びをしていたら、さっき授業をしていた教師が話し掛けてきた。
「はい?」
「オメー戦う人間らしいな?」
さらりと非日常的なことを言われて俺は思わず姿勢を正す。つまり、相手も普通の人間ではないということだ。
「……何でそれを」
「空のヤロー、赤空葉菊から聞いた」
黒ブチ眼鏡に白衣の彼女は確か熊崎と名乗っていた。確か担当は物理。熊崎は赤空葉菊のことを随分親しげに呼んだ。生徒も普通じゃなければ教師も普通じゃないってことか。
「昼食ってからでいいから第一体育館に来てくんねー?」
「何するんですか?」
「んー?課外授業、かな」
イヒ、と悪戯っぽく笑った熊崎はそのまま教室を出ていってしまった。

「よう、来たか」
釣木学園には体育館が複数あるらしい。その中の『第一体育館』と書かれた扉の前に熊崎が寄り掛かっていた。扉には『物理の熊崎が使用』と書いた紙が貼ってある。彼女は白衣ではなく、柔道着を着ていた。
「体育館は上履き厳禁だから体育館履き持ってないなら裸足で入れ」
体育館履きもロッカーにあったような気がするが、今回は持ってくるのを忘れてしまったので靴下を履いたまま体育館に入る。熊崎もサンダルを脱いで裸足で入った。
「俺さー、合気道やってんだ」
熊崎は体を動かしてストレッチを始めた。彼女に促されて俺も体を軽く動かす。
「合気道ってのは『小よく大を制す』って言って力の強さとか体格とか関係ねーんだ。だから年を重ねて長くやればやるほど強くなる道なんだ」
「へえ、それで?」
「相手の攻撃に対しての返し技、が基本だ」
体育館内の一部に畳が敷いてある。彼女は一礼してからそれに乗った。手招きされたので俺も乗る。
「礼儀とか云々は良いからよー。攻撃してみてくれや」
「……いいのか?気絶してもしらないぞ?」
「それはねーから安心しろよ」
彼女は構えのようなものを取って笑う。適当に構えてるように見せて、目が笑っていない。俺は覚悟して構えを取る。
「行くぜ」
俺は一撃でやってやろうとハイキックを飛ばす。が、かわされてしまう。もう一度ハイキックをするが、するりとかわされてしまった。
「ッ、クソ……!」
今度は右パンチをかますが、避けるどころか腕を掴まれ息をつく間もなく視界が回転する。いつの間にか俺は熊崎に腕を後ろに押さえられていた。
「んー、異世界の人間もこんなもんか。肉体も普通の人間と同じっぽいし」
熊崎はすぐに手を離してくれたが、俺は正直内心かなり悔しかった。赤空葉菊は例外として、この普通の世界の釣木学園と戦いの連続である本部を比べて、こういう肉体勝負では負ける気がしなかったからだ。
「お前、物理学は好きか?」
「あ?」
熊崎はその場で正座で座ると微笑んで語り始める。唐突な話題に俺は首を傾げた。
「全ての攻撃ってのは物理法則に関係してんだよ」
「つまり……攻撃する力、とか?」
「そうそう。受け流すのもそうだし、合気道ってのは合理的にその力を使える、一番追求した技なんだわ」
重力も、圧力も、撃力も、斥力も、弾力も、張力も、引力も。力は物理学の研究学問だ。その研究は合気道に通じている。彼女は嬉々としてそう語った。
「力の流れが分かれば、体の動かし方や力の込め方なんかもどうすればいいか見方が変わってくるぞ」
熊崎は立ち上がって俺に手を差し伸べた。
「授業ってのは黒板だけじゃ留まらないもんだ。そう考えると、ちょっとは真面目に授業を聞く気になったか?」
どうやら彼女は俺の授業態度を改善しようと思ったらしい。俺は苦笑いして熊崎の手を掴む。
「……ちょっとだけ、な」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
メールガス・セルシエラ。綴り忘れた。
英語教師。魔法使い。銀髪ロングを後ろで縛っている。スーツ。男性。
零一を生き返らせたのもこの人。ファンタジー側教師の代表格。と言っても、そもそも教師は全員おかしいけど。
熊崎華僑(くまざきかきょう)。
物理教師。合気道家。黒ぶち眼鏡に茶髪に白衣。女性。
赤空葉菊、雨顧問と仲が良い。特に雨顧問とは高校時代から仲が良い。
最近の悩みは太股の筋肉がつきすぎてスキニーが履けないこと。好物はメロンパン、ただし一日一個まで。
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