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コラボ第三弾。
学園パロディでシリアスと秘密を用意してみせる!
囲炉裏華編。

キャスト
月下美人の不良
瀬戸 氷河
せと ひょうが

台風の女王様
囲炉裏 華
いろり はな

人の振りした体育教師
遊関 赤鬼
ゆうぜき あっき


※瀬戸氷河
生物部でお茶を飲んでいると、零一が急に立ち上がった。
「やっべぇ!俺用事あるんだった!珠宇に呼ばれてんの忘れてた!」
「ええ?珠宇に?」
「馬鹿野郎!文化祭のあれだよ!」
井伊原さんも勢いよく立ち上がる。
「それはやばいよ!いかなきゃ!」
二人が飛び出すように部室を出て行った。
池崎も今日は来ていないようで、残されたのは囲炉裏さんと俺だけだった。
「アホらし……」
囲炉裏さんが呆れて、開けっ放しにされていたドアを閉める。
こちらに戻り、何故か俺の対面に座る囲炉裏さん。
「前から聞きたかったんだが……どうしてお前はここにいるんだ?」
「どうして……。」
「だってどう見たってお前は学生じゃないだろ。身長も風貌も学生にはとても見えない」
決定的な言葉だった。
誤魔化そうとした言葉を飲み込み、一つ聞いてみる。
「……俺がどう見えてるって?」
「身長や風貌からして大人。零一達が同級生だって思ってそうだから、黙ってたけど。」
俺は確かに23で、社会人……ってのもあの世界に言わせちゃおかしいが、自立はしている。
学生、まして高校生に見えるはずもない。
だから魔術でそれなりに見合わせた姿にされたはずなのだが……。
「……魔術が効いていないのか」
「魔術?」
「いや、なんでもない。囲炉裏さんの異端がようやく分かったってだけ。」
「聞かれたら全部話すけど。オレは別にあんたに隠すつもりはないし」
でも、と言い囲炉裏さんが席を立つ。
「ここじゃはっきりとは言えない。こっちに来い。オレの異端のきっかけの場所に行くぞ」
俺も席を立つ。
こっそりとメスを頂戴して、囲炉裏の後をおいかけた。
どこに連れて行かれても対処できるように、制服にメスと彫刻刀を仕込んで。

囲炉裏さんに連れてこられた場所は学校にある森だった。
「……この奥だ。ついてこい」
「入っていいのか?」
「ばれなきゃ大丈夫だ。」
ずいずいと進んでいく囲炉裏さんを追いかける。
あの子、怖いもの知らずなのか……?
森の中を歩き始めていると、囲炉裏さんが語り始めた。
「この学園には、人間じゃない連中がたくさんいるんだ。天狗とか雪女とか変な奴らが人間の振りして潜り込んでる。」
「妖怪……か。」
生物部で最初に彼女に聞かれたことは鬼の話だ。
鬼以外の妖怪と関わっていてもおかしくはない。
「そう、妖怪だ。私はその擬態を見破ることが出来る。だから、お前の魔術って奴も見破れたのかもしれない。」
「成程な……。」
今までの連中で一番異端に近いかもしれない。
「あっきーは私の能力を、深実の眼(ヘヴンズヘル)とか言ってたな。」
「なんだよその中二病。」
「氷河にもそういう能力ないのか。」
「ねぇよ。」
「……恥かいてんの私だけかよ!くそ、あっきーめ!」
苛立たしげに土を蹴る囲炉裏さん。
するとぼんやりと灯る灯りを手に、誰かが現れた。
「俺を呼んだかい?彼岸花」
「あっきー」
彼女があっきーと呼ぶ人物は、体育教師の遊関ではないか。
人間の姿ではなく、赤い鬼の姿をしている。
遊関は俺に気付くと、にやりと笑った。
「お前も来たのか。瀬戸」
「……」
鬼となれば敵に回った時俺に勝ち目はない。
こっそりとメスを手に持つ。
「なんだよ、怖い顔して。」
「鬼、だろ。どうして学校に潜んでるんだ?」
「おいおい、鬼が体育教師してちゃ悪いのかよ?お前の世界にだって人に溶け込む妖怪はいるんじゃないか?」
「確かにいるな。俺の世界の妖怪ってのは極端なんだ。人を好むか嫌うか。それだけ人に対する扱いが全然違う。」
人を好めば、人の住む街に溶け込み、人を散々からかっていく。
人を嫌えば、山にこもり訪れる人間を追いかえす。
人ではない俺は、どちらにも好奇の目を向けられ、狙われる。
俺にとって妖怪ってのは敵だ。
「へぇー、人を嫌う奴なんているのか。こっちじゃ妖怪ってのはめっきり減ってるから、みんな人が好きで仕方ないぜ」
「あっきー、立ち話なんかしてる場合じゃないだろ。オレたちは村に行くんだ。そして、氷河にオレの目の話をする」
囲炉裏さんが、話を切り先に歩いて行ってしまった。
遊関は、やれやれと呆れたように首を振る。
「はいはい。彼岸花、俺の家を使っていいからな」
「始めからそのつもりだ。」
振りかえずに答える囲炉裏さん。
妖怪と話すのに慣れているものだ。
普通ならば、異形のものを見るだけで恐怖を覚えるものじゃないだろうか。
彼女はどうやってその恐怖を乗り越えたのだろうか。
「瀬戸」
「なんだ」
ぼんやりしていると遊関に名を呼ばれた。
「おまえの血だって彼岸花と同じで貴重だから、俺達は歓迎するぜ?」
「ッ、お前なんでそれを!?」
遊関にメスを向ける。
反射的に。見破られた恐怖によって。
俺の動揺した様子をみて、けらけら笑った遊関はメスに臆せずに答える。
「お前の世界では魔力っていうの?それが俺達にもわかるんだよ。お前は並の人間じゃない霊気をもってる。それは、お前が彼岸花のような血をもっているからだろ?」
「……」
答えることが出来ない。
メスをしまい、遊関に違う答えを返した。
「囲炉裏さんやあの学校の連中には言うなよ。この血は……誰にも知られるわけにはいかねぇ」
「彼岸花なら気づいちまうと思うけどね」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シリアスでございまーす!ひゃっふー!
きっと長くなりまーす!

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