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友人に捧げた入門者向け本部シリーズ。短編です。
全20話で、全員分の日常が綴れたので、こちらにも上げておきます。

路也、あさぎ編。

※篝祇亜須磨
魔物討伐本部司令官、白河さんからある命令を下された。
それは全員に、たった一言を伝えるだけ。
『明日12時までにラウンジ集合。』
こんなのはメールで済ませればいい。
本当の目的は、しばらく魔物討伐の任務がなく暇なはずの彼らの様子をみて報告しろというものだ。
しゃきっとさせたいんだろうなぁ、と推測しつつ皆がいそうな部屋へと向かう。
本部のメンバー個人に部屋が割り当てられているはずだが、彼らは誰かの部屋にまとまっていることが多い。
まずは灯野兄妹の部屋だ。
ドアを軽くノックする。
「路也ー、入るぞー?」
「亜須磨!」
路也からドアを開けてきたので、驚いた。
焦った様子の路也が俺の肩を勢いよく掴む。
「なぁ亜須磨、あさぎを見なかったか?」
「あ、あさぎちゃんか?俺は見てないけど」
あさぎちゃんはシスコンな路也と比べてよく出来た妹だ。
路也が心配することはないと思うけどな。
その路也が頭を抱えて叫ぶ。
「ああ、くそ、ここの連中はどいつもこいつもろくでもないのに!」
一番ろくでもないのは、路也だろ……。
とは言わずに、黙って狼狽える路也を見ることにした。
「莱桃さんのとこかな、優衣ちゃんと遊んでんのかな……。ああ、氷河さんのとこにいたらどうしよう!」
「……お兄ちゃん?」
廊下で話していたせいか、戻っていたあさぎちゃんに怪訝な目で見られてしまった。
小さなポリ袋を抱えている。街にでも行っていたのだろうか。
「あさぎ!どこ行ってたんだよ!」
「え、優衣ちゃんとお買いものだけど?」
「よかったぁー……」
安堵して溜息をつく路也。
あさぎちゃんの事しか考えてないからな、こいつ。
同期だけどあさぎちゃん意外への無関心っぷりがひどい。
「途中で、秋夜さんにお茶奢ってもらいましたよ。」
「秋夜、殺す!」
路也が部屋から剣を持ち出して秋夜の部屋に行ってしまった。
そんな残念な兄を無視して、あさぎちゃんが袋からお菓子を取り出す。
小さなお菓子屋に売ってそうな市販のチョコレートだ。
「亜須磨さんにあげますよ!」
「ありがとう。そうだあさぎちゃん、伝言を頼んでいいかな?」
「はい!」
笑顔で答えるあさぎちゃん。
ほんとうによく出来た子だと思うよ。
守銭奴じゃなければ。
「白河さんからの命令。明日は12時までにラウンジに集合だってさ。」
「分かりました!伝えておきます!」
部屋に戻ったあさぎちゃん。
後から路也が息を切らせて戻ってきた。
持って行った剣は二本とも抜かれていたが、幸い血はついてない。
「路也……」
「秋夜はシメた。で、なんだったんだよ亜須磨」
秋夜がかわいそうだ。
彼に罪はないだろうに。
「白河さんから命令だ。明日、12時までにラウンジに集合。」
「りょーかい」
適当に返事をしながら部屋に戻る路也。
最初から疲労を溜めつつ、次の部屋に向かう。
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