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友人に捧げた入門者向け本部シリーズ。短編です。
全20話で、全員分の日常が綴れたので、こちらにも上げておきます。

井是、菅谷、高崎編。

※篝祇亜須磨
次は井是さんの部屋だ。
井是さんと菅谷さんと高崎さんは大体井是さんの部屋にいる。
初期の方からいるメンバーで、落ち着いた物腰の人たちだ。
ドアをノックし返事が来たので入る。
三人は小さなテーブルに資料を並べて雑談をしていた。
「何してたんですか?」
「ああ、次はどこに行こうか決めてたんですよ。」
俺が聞くと、高崎さんが答えてくれた。
よく見れば資料は、幽霊の出るスポットばかりだ。
高崎さんが怖がりな井是さんと菅谷さんを苛めて遊んでるのだろう。
「もうやめましょうよー……。この前もひどい目にあったばかりじゃないですかー……」
井是さんが項垂れて机に突っ伏す。
確かに暇になってから、三人でどこかに出ていくことが多かった。
それも昼間じゃなくて夜中に。
これで分かった。ホラースポットに行っていたのか。
「だーって井是さんのリアクション面白いんだもん!」
と、けらけら笑うのは菅谷さんだ。
彼も怖がりなはずなのに、井是さんをからかって遊んでいる。
「菅谷さんも面白いリアクションしてましたけどね」
高崎さんがお茶を飲みながら、一枚の資料を手に取る。
「こちらとかどうです?明日にでも行きましょうよ」
「だから!もう行きたくないってば!」
井是さんが机をたたいて叫ぶ。
二人はにやりと嫌な笑みを見せる。
「「井是さんのビビる姿が見たいんですよ!」」
「やめてって言ってるじゃないですか!」
この二人は井是さんを弄ることにおいて、息がよくあうものだ。
高崎さんがようやく俺の存在を思い出したのか、声をかけてくれた。
「すみませんでしたね。何の用ですか?」
「白河さんから伝言です。明日12時までにラウンジ集合です。」
「了解しました。ご苦労さま、亜須磨」
用事も済んだし出て行こうとすると、菅谷さんが俺を呼ぶ。
「なーなー、亜須磨!今度、付き合ってくれない?」
「その井是さん弄りにですか?」
「そう!俺たち、強いってわけじゃないからさ。ヤバそうなとこには来てもらいたいんだよね。」
本部の中では、井是さんたちは弱い部類に入るのかな。
狙撃の腕に関しては最高ランクにいると思うのだけれど、実戦向きじゃない。
「俺は『無個性』なだけで強くないですよ?」
「その無個性の強さを買ってるんだって!」
「そもそもヤバいと思うなら、行かなきゃいいと思うんですけど」
「でも、そういうとこに限って最高のスポットだったりするんですよねぇ」
と、高崎さんが俺に一枚の地図を渡す。
地図の端に書かれているオカルト事情を読んでから返す。
「亜須磨が来てくれるなら、ここも行けるんですけどね。息抜きにどうですか?」
「考えておきますよ」
「それなら、助かります」
三人への用事は終わったので、部屋を出た。
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