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友人に捧げた入門者向け本部シリーズ。短編です。
全20話で、全員分の日常が綴れたので、こちらにも上げておきます。

末沢、鹿屋編。

※篝祇亜須磨
次は末沢さんの部屋かな。
末沢さんは遺跡洞窟探索が好きな探検家だ。
実際に何か見つけてくることもあるから実力はあるのだが、自由奔放なもんだから困ってしまう。
勝手に神谷さんや氷河さんや秋夜を連れ出して、白河さんに怒られたこともある。
そんな末沢さんを気にかけているのは、鹿屋さんだ。
末沢さんの部屋をノックする。
「俺が開けますよ」
答えたのは鹿屋さんだ。
同じ部屋みたいでよかった。
ドアが開けられると、鹿屋さんが意外そうに驚く。
あまり表情に出さない人だから珍しい。
気が緩んでるのかな。
「亜須磨じゃないですか。どうしました?」
「白河さんに伝言を頼まれたんですよ」
「白河さんがー?」
末沢さんが古そうな地図を広げながら、答える。
またどこかの遺跡にでも行くつもりかな。
「ええ。明日、12時までにラウンジに集合だそうです」
「分かりました。ありがとうございます」
丁寧な対応で答える鹿屋さん。
この人読めないから怖いんだよな……。
笑顔で人の痛いところついてくるし。
「末沢さん、またどこかに行くんですか?」
「うん。この辺行きたいなーって思って」
末沢さんが俺に古地図を見せてくれた。
俺にはよく分からないけど、なかなか広そうな遺跡だ。
「広そうですね……」
「でしょ?きっといい物あると思うんだよね」
楽しげに語る末沢さんと反対に、呆れ果てる鹿屋さん。
「はぁ……。また勝手に行くんですよね、末沢は」
「ん?」
「今度ひどい目にあっても俺は助けませんからね」
「大丈夫だって、そんなにドジじゃないです!」
「どうなっても知りませんよ?」
からかう鹿屋さん。
末沢さんは頬を膨らます。
「いいですよ!亜須磨が助けてくれますから!」
「俺!?」
末沢さんが俺の腕に絡む。
急に巻き込まれた俺は、驚いて変な声をあげてしまった。
「亜須磨なら実力がありますからね。確かに助けてくれるんじゃないですか?」
「……俺、末沢さんに巻き込まれるのいやなんですけど」
「なんでよ、亜須磨ー!」
「末沢さんが踏んだトラップに巻き込まれるの嫌なんですよ!」
「大丈夫だよ、死ぬもんじゃないよー!」
「死ぬかと思ったんですよ!」
俺と末沢さんの言い合いで、鹿屋さんが腹を抱えて笑い出した。
「末沢についてきてくれる人は、いなさそうですね!」
「そ、そんなことないって!……多分」
末沢さんが目を伏せる。
図星なのだろうか。
「神谷さんにもひどい目にあったって言われたし、氷河には怒られたし、秋夜も死ぬかと思ったーって泣かれたし……」
「やっぱり物好きは俺だけのようですね」
「みたいですね……」
結局、仲のいい二人だ。
ずっといても悪いから部屋を出ようかな。
「失礼しますね」
「ああ、全員分見回ってるんでしたら頑張ってくださいね」
鹿屋さんがこっそり俺に囁いた。
察しのいい人だな、ほんとに。
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