忍者ブログ
一次創作ファンタジー小説中心サイト。 このサイトにある全ての小説の無断転載は禁止しています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

友人に捧げた入門者向け本部シリーズ。短編です。
全20話で、全員分の日常が綴れたので、こちらにも上げておきます。

弓ヶ浜+手仕舞編。

※篝祇亜須磨
次は、弓ヶ浜兄弟の部屋だ。
彼らは妖怪の血を混ぜられた四人兄弟。
村から逃げ出した人なんだけど、すっかり落ち着いてのんびりしている。
軽くノックをしてから、部屋に入る。
彼らの部屋には未だに炬燵があった。
そして四人全員炬燵で丸まっていた。
「お、亜須磨じゃーん、どしたん?」
雨境さんが炬燵に温もりながら、手を振る。
「今、何月でしたっけ……?」
「春ですねぇ」
東火さんがさも当然かのように答える。
分かってんじゃないですか、季節感。
「……しまわないんですか」
「電源入れてないから、熱くないよー」
と、文弥さんが能天気に答える。
「そういう問題ではないと思うんですよ……」
彼らのマイペースっぷりには着いていけないよ、俺。
気を取り直して、白河さんからの伝言を伝える。
「白河さんから伝言です。明日、12時までにラウンジに集合だそうです」
「12時ですね、了解です!」
答えたのは、弓ヶ浜の誰でもなく天井から現れた手仕舞さんだった。
言っておくが、この人は忍者でもなんでもない。
東火さんが冷めきった目で手仕舞君を見やる。
「……なにしてんですか手仕舞君」
「暇なので来ちゃいました!」
「帰って下さい」
「嫌です!」
「帰れ」
東火さんは元々人嫌いで、あまり関わろうとしない。
それでも手仕舞さんだけは、ああやってしつこく東火さんにまとわりつく。
雄飛さんが苦笑いしながらも、関心する。
「手仕舞は、なんつーか……。バカなんだけど変にすごいよなぁ。」
「兄貴、あれはただのバカだよ」
「でも、あんなに東火の人嫌いを物ともしない奴も珍しいよ」
「バカには何も聞こえないんだって」
雨境さんも呆れたように二人を見ていた。
そしてそれも嫌になったのか急に俺の方に話しかける。
「ねぇ、亜須磨」
「はい?」
「他の連中は何してたの?」
「こんな感じですよ」
「なら、誰かんとこでもからかいに行こうかなー」
思い切り伸びをする雨境さん。
彼も退屈で仕方なかったんだろう。
東火さんとは逆で人をからかうのが好きな人だから。
でも、今回は雄飛さんが止めた。
「雨境、今日はおとなしくしてな」
「ええー、暇なんだもん、どうすんの?」
「他のやつらにも休暇がいるだろ?」
「まるで俺がいると休みにならないみたいな言い方!」
「事実だろ」
不貞腐れて炬燵の机に突っ伏す雨境さん。
くすりと笑わしてもらいながら、部屋を出た。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
天草八津芽
性別:
女性
自己紹介:
BLでファンタジー小説が多いです。
ひっそりひそひそ書いてます。
ツイッター
メインアカウント(妄想ばかり)


オリキャラ紹介bot
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
P R

Copyright © [ 妄想の隠れ家 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]