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友人に捧げた入門者向け本部シリーズ。短編です。
全20話で、全員分の日常が綴れたので、こちらにも上げておきます。

吾野、柚木編。

※篝祇亜須磨
次は、吾野さんの部屋かな。
吾野さんは教会の騎士といういい仕事についていながら、簡単に辞めてこっちに来た人だ。
主な理由は事件がありそうだから。退屈をとことん嫌っているらしい。
「吾野さん、入りますよ?」
ノックしてから声をかける。
ドアを開けてくれたのは、吾野さんが拾った少女優衣ちゃんだ。
「あ、亜須磨さん!」
「え、亜須磨?」
吾野さんは真面目に本を読んでいたようだった。
けど、本をあっさり机に放り投げて、席を立つ。
「何読んでたんですか?」
「経典……ま、聖書だね、いわば」
「吾野さん、教会にいたんでしたね。その時の癖ですか?」
「いいや、暇だから経典の中身を理解してみようと思ったんだよ」
「え?」
吾野さん、教会の騎士だったんだから天使とか神を信仰していて、聖書も理解していたんじゃないのか?
それが普通だと思っていた俺を裏切ってくれたよ、この人。
吾野さんは悪びれずに頭を掻きながら続ける。
「俺さー、あそこにいても経典だけは理解出来なくてなー!いっつも読んだフリして適当なこと言ってたんだよね」
「……よくそれで教会にいられましたね」
「うまいこと誤魔化してたからな。」
だめだ、この人。どうしようもない。
優衣ちゃんに話を振ってみる。
「優衣ちゃん、あれはどうなの?」
「あんな堅苦しいものを理解する方が頭おかしいですよ」
「ええっ!?」
優衣ちゃんまでそんなことを言うのかー。
堕天した人はいう事が違うなー。
「で、理解出来たんですか?」
「全然わかんね。今度、氷河にでも聞くわ」
「聞かれても迷惑なだけですって、それ……」
吾野さんが放り投げた聖書を拾う。
中身をぱらぱらと読んでみるけど、確かにさっぱり分からない。
聞いたことあるような言葉はちらほら見かけるけど、これだけじゃ何も伝わらない。
俺も聖書を放り投げた。
「あ、白河さんから伝言です。明日、12時までにラウンジに集合だそうです」
「ラウンジなー、はいはい、分かった」
吾野さんが適当に返事を返す。
優衣ちゃんは丁寧にメモを取って、アラームをセットしていた。
「じゃ、俺行きますからね。」
「おう、これに興味あったら借りに来ていいからなー」
「絶対来ないです。」
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