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友人に捧げた入門者向け本部シリーズ。短編です。
全20話で、全員分の日常が綴れたので、こちらにも上げておきます。

淋道、須藤編。

※篝祇亜須磨
ようやく最後の部屋だ。
須藤さんの部屋に向かう。
須藤さんと絶華は傭兵だったけれども、こちらに最近来た人だ。
いわば一番の新参者。
歌ってばかりの須藤さんと、冷酷無比な絶華のコンビだ。
「失礼しますね」
「亜須磨じゃん、どうしたの」
退屈そうに座っていた絶華が立ち上がる。
須藤さんはヘッドホンをしてノリノリで曲を聴いている。
俺には全く気付いていないようだ。
「って、何の用で来たとかどうでもいいや。暇なんだよね、俺」
「急に言われても……」
絶華がコップを俺に差し出し、命令する。
「とりあえずさ、コーラ持ってきてよ。喉乾いたんだけど」
「なんで俺が……」
と、言いつつも絶華からコップを受け取り、食堂まで行ってコーラを用意してきた。
戻ると、須藤さんがヘッドホンを外していた。
開口一番、ごめん!と謝られた。
「亜須磨!さっき来てたんだって?気付かなくてごめん!」
「……そんな謝ることじゃないですって。ほら、絶華、用意したけど?」
「お、ありがとー、亜須磨ー」
絶華は奪い取るようにコップを受け取る。
そして一気に飲み干しやがった。
「で、ほんとに何か用があったの?」
「あるに決まってるだろ。白河さんから伝言。明日、12時までにラウンジに集合、だそうです」
「んー、分かったー。」
聞いといて、気の抜けた返事を返す絶華。
「絶華、遅刻したら白河さんに斬られるからな」
「えええっ、マジで!?」
絶華に言ったのに、驚いたのは須藤さんだった。
「どうしよー……え、本気で斬られんの?」
「いつも本気そうでしたよ」
「ええええ……今日、やることあんのに大丈夫かな、俺」
ヘッドホンを机に置いて、パソコンを立ち上げた。
気怠そうに絶華が聞く。
「須藤さー、それどうすんの?」
「友達と約束しちゃってさ。編曲しなきゃなんないんだ。」
「須藤が編曲?作曲者に失礼じゃない?」
「辛辣だね、絶華」
「きょーみもないし。……ねよっかな、俺」
大きな欠伸をして、須藤さんのベッドを奪う。
横になったらすぐに眠ってしまった。
「はぁ、絶華はすぐ俺のベッド取るんだから……」
須藤さんが絶華にかけ布団をかけてやっていた。
須藤さんは絶華の保護者のような人らしい。
絶華の幼い頃から何かと気にかけているみたいだ。
でも、血が繋がっているわけでもない。
二人もよく分からないことが多い。
「じゃ、俺行きますね。」
「ん、ありがとね。亜須磨」
須藤さんは再びヘッドホンをかけた。
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