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友人に捧げた短編集。
今回は、ハーレムをテーマに書いてみました。
根矢川夏美編。
今回は、ハーレムをテーマに書いてみました。
根矢川夏美編。
※瀬戸氷河
軍部という街を守る組織がある。
俺たち、本部と違うのは街しか守らない事だろう。
街に来た脅威しか守らない組織。
未然に防ぐことをしない彼らは、意味がないようにも思える。
その中でも、魔術とも対立をし科学の研究を重ねている人たちがいる。
「根矢川さん……だよな?」
「ん、君は神崎君の所の人だよね?よく私の事を覚えていたね」
ベンチで休んでいる白衣姿の根矢川さんを見かけて声をかける。
根矢川さんは、ペットボトルのジュースを飲んでいた。
「まぁ、あの神崎さんと一緒に研究してたって言われればな」
神崎は変わり者の学者だ。
科学を強く信じ、空間論という独自の研究を進めてきた。
科学者としては異端であり、研究を協力する人などいないと思っていたが、助手がいたと知ったのはつい最近の事だ。
その助手の一人が根矢川夏実さんだ。
「神崎君は、変わり者だからね。本部でも迷惑かけてるでしょ?」
「いや、神崎さんのおかげで助かってますよ。」
そういうと根矢川さんは安心したように微笑む。
「そっか、よかった。神崎君って発想はいいんだけど、周りを気にしないから結構迷惑かけちゃうんだよね」
「ああ、俺たちを巻き込んで実験とかして死にかけた連中ならいますけど」
「あはは……そうだよね」
神崎さんの事をよく分かってる人だ。
根矢川さんは荷物をまとめて、スペースを作る。
「座って。お話しましょうよ」
「じゃ、俺もなんか買ってくるわ。ちょっと待ってろよ」
近くの自販機で、缶コーヒーを買う。
それを手に、根矢川さんの隣に座る。
「神崎君はねー、とんでもない奴だったよ。誰も考えなかったことを次々に生み出すの。こういうのを才能があるって言ったのかな?」
「ついていけるあんたもすごいと思うけどな」
「ううん、私は神崎君に言われた通りにやってただけ。本物の天才に従うだけ。」
天才についていくってのは、なかなか大変な事だと思うけどな。
普通は嫉妬に飲まれてしまったりするだろう。
天才ってのはそれだけで周りに影響を及ぼすからな。
孤立しやすいってこともある。
それでも神崎さんが研究を完成させたのは、根矢川さんともう一人の助手のおかげかもしれない。
「神崎君はいう事が奇抜なだけなの。本当はすごく優しい人なんだよ」
「根矢川さん、もしかして……神崎さんに惚れてたんじゃねぇのか?」
ストレートに聞いてみても、彼女は動揺せずに空を見上げて答えた。
「惚れてたのかな。神崎君には恋愛感情なんてなかったかもしれないけど。私は……どうだったんだろう」
「根矢川さんも自覚してないだけだろ。」
「君、随分恋愛に詳しいんだね」
コーヒーを吹き出しそうになった。
やめてくれよ、恋愛に詳しいだなんて。
そういうのは、天使どもの役割なんだから。
「違う違う!そういう奴が多すぎるだけ。鈍い奴が多いんだよ。」
「ああ、そうなんだ。」
根矢川さんは納得してくれたが、あっさり信じるあたり、この人天然なんじゃないだろうかという疑念が生まれてしまった。
「私が神崎君と付き合えたら……違ってたかな?」
「変わってたと思うぜ。軍部が桁違いに強くなるか、本部がまた賑やかになるかって感じに」
「ああ、私も本部に入ってみたかったなー。神崎君を受け入れる組織ってのを見てみたかったよ」
空になったコーヒーの缶を手に立ち上がる。
そろそろ行かなくては。
いつまでも彼女と話している暇はない。
けれど、言いたいことは言っておくことにした。
「そんなの、いつでも見られるだろ。」
軍部という街を守る組織がある。
俺たち、本部と違うのは街しか守らない事だろう。
街に来た脅威しか守らない組織。
未然に防ぐことをしない彼らは、意味がないようにも思える。
その中でも、魔術とも対立をし科学の研究を重ねている人たちがいる。
「根矢川さん……だよな?」
「ん、君は神崎君の所の人だよね?よく私の事を覚えていたね」
ベンチで休んでいる白衣姿の根矢川さんを見かけて声をかける。
根矢川さんは、ペットボトルのジュースを飲んでいた。
「まぁ、あの神崎さんと一緒に研究してたって言われればな」
神崎は変わり者の学者だ。
科学を強く信じ、空間論という独自の研究を進めてきた。
科学者としては異端であり、研究を協力する人などいないと思っていたが、助手がいたと知ったのはつい最近の事だ。
その助手の一人が根矢川夏実さんだ。
「神崎君は、変わり者だからね。本部でも迷惑かけてるでしょ?」
「いや、神崎さんのおかげで助かってますよ。」
そういうと根矢川さんは安心したように微笑む。
「そっか、よかった。神崎君って発想はいいんだけど、周りを気にしないから結構迷惑かけちゃうんだよね」
「ああ、俺たちを巻き込んで実験とかして死にかけた連中ならいますけど」
「あはは……そうだよね」
神崎さんの事をよく分かってる人だ。
根矢川さんは荷物をまとめて、スペースを作る。
「座って。お話しましょうよ」
「じゃ、俺もなんか買ってくるわ。ちょっと待ってろよ」
近くの自販機で、缶コーヒーを買う。
それを手に、根矢川さんの隣に座る。
「神崎君はねー、とんでもない奴だったよ。誰も考えなかったことを次々に生み出すの。こういうのを才能があるって言ったのかな?」
「ついていけるあんたもすごいと思うけどな」
「ううん、私は神崎君に言われた通りにやってただけ。本物の天才に従うだけ。」
天才についていくってのは、なかなか大変な事だと思うけどな。
普通は嫉妬に飲まれてしまったりするだろう。
天才ってのはそれだけで周りに影響を及ぼすからな。
孤立しやすいってこともある。
それでも神崎さんが研究を完成させたのは、根矢川さんともう一人の助手のおかげかもしれない。
「神崎君はいう事が奇抜なだけなの。本当はすごく優しい人なんだよ」
「根矢川さん、もしかして……神崎さんに惚れてたんじゃねぇのか?」
ストレートに聞いてみても、彼女は動揺せずに空を見上げて答えた。
「惚れてたのかな。神崎君には恋愛感情なんてなかったかもしれないけど。私は……どうだったんだろう」
「根矢川さんも自覚してないだけだろ。」
「君、随分恋愛に詳しいんだね」
コーヒーを吹き出しそうになった。
やめてくれよ、恋愛に詳しいだなんて。
そういうのは、天使どもの役割なんだから。
「違う違う!そういう奴が多すぎるだけ。鈍い奴が多いんだよ。」
「ああ、そうなんだ。」
根矢川さんは納得してくれたが、あっさり信じるあたり、この人天然なんじゃないだろうかという疑念が生まれてしまった。
「私が神崎君と付き合えたら……違ってたかな?」
「変わってたと思うぜ。軍部が桁違いに強くなるか、本部がまた賑やかになるかって感じに」
「ああ、私も本部に入ってみたかったなー。神崎君を受け入れる組織ってのを見てみたかったよ」
空になったコーヒーの缶を手に立ち上がる。
そろそろ行かなくては。
いつまでも彼女と話している暇はない。
けれど、言いたいことは言っておくことにした。
「そんなの、いつでも見られるだろ。」
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